LANケーブル、結局どれがいい?6本を「10Gbpsが届く距離」と「カテゴリー8は30m」で比較

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こんな場面で、選び方に迷っていませんか

売り場で目立つのは「カテゴリー8・40Gbps・2000MHz」です。カテゴリー6より数字が大きいので速そうに見えます。実際に調べたら、その40Gbpsはデータセンターの機械室で使う規格でした。

調べた結果を先に書きます。

  • カテゴリー8の40Gbpsは、チャネル長30mが上限の規格です。 TIAの規格(ANSI/TIA-568-C.2-1)は、前の世代の100mではなく30mと定めています。用途はデータセンターのサーバーとスイッチの接続です。
  • それなのに、100フィート(約30.5m)のカテゴリー8が40Gbpsを謳って売られています。 規格の上限をわずかに超える長さです。
  • 10Gbpsが届く距離は、カテゴリーで変わります。 カテゴリー6の非シールド品は55mが目安で、束ねた最悪条件では37mに制限されるとされています。カテゴリー6Aなら100mです。
  • 今回の6本で、カテゴリーの規格値と商品の表記が全部合っていたのは2本だけでした。 カテゴリー6で「550MHz」、カテゴリー7で「ANSI/TIA/EIA 568-B規格に準拠」という記載がありました。
  • 10Gbpsを「10240 メガバイト毎秒」と書いていた製品がありました。 正しくは1,250メガバイト毎秒です。
  • いちばん表記が正確だったのは、600円の製品でした。

価格は2026年10月時点のものです。

10Gbpsが届く距離は、カテゴリーで変わる

カテゴリーの数字は「速度」ではなく「周波数帯域の等級」です。そして同じ10GBASE-T(10Gbpsのイーサネット)でも、カテゴリーによって届く距離が変わります。

Ciscoの技術白書から引きます。

配線 10GBASE-Tの到達距離 根拠
カテゴリー6(非シールド) 55m IEEE規格の想定到達距離
カテゴリー6(非シールド・最悪条件) 37m TSB-155
カテゴリー6(シールド) 100m TSB-155に従い500MHzまで認証
カテゴリー6A 100m 最大500MHz・最大100mで定義
カテゴリー7(Class F) 100m ISO/IEC 11801、600MHz

原文はこうです。

The IEEE standard lists 55 meters as the typical expected 10GBASE-T reach depending on the alien-crosstalk environment

(IEEE規格は、エイリアンクロストーク環境に応じた一般的な想定到達距離として55mを挙げている)

Further, Category 6 unshielded systems may be limited by alien crosstalk beyond 37-meter channels.

(カテゴリー6の非シールドは、37mを超えるチャネルでエイリアンクロストークにより制限される場合がある)

カテゴリー6Aについては、

defined at frequencies of up to 500 MHz for cable lengths of up to 100 meters

そして同じ白書の推奨は、

Cisco recommends a Category 6A cable system or better for new installations

エイリアンクロストークは、隣に並べた別のケーブルから漏れてくる干渉です。 だから「束ねると性能が落ちる」という条件が付きます。1本だけ床を這わせる家庭の使い方は条件としては有利ですが、規格上の保証は上の数字です。

ここが実用上いちばん効くところです。 「カテゴリー6・10Gbps対応」と書かれたケーブルは、短ければ10Gbpsが通ります。でも50mを超えて這わせるなら、カテゴリー6Aのほうが規格上は確実です。

カテゴリー8の40Gbpsは、30mまでのデータセンター規格

カテゴリー8は、それまでのカテゴリーと設計思想が違います。

業界誌の取材記事から、根拠となる規格と数値を引きます。

  • TIAが策定したカテゴリー8の規格はANSI/TIA-568-C.2-1で、チャネル距離を前世代の100mではなく30mと規定しています。
  • 対応する40GBASE-TはIEEE P802.3bqタスクフォースが策定しました。

30mになった理由も書かれています。

This is a tradeoff between power dissipation of the silicon physical layer (PHY) integrated circuit driving the cable

(ケーブルを駆動する物理層ICの消費電力とのトレードオフ)

make sure that the power footprint for 40GBase-T chipsets are minimized

(40GBASE-Tのチップセットの電力フットプリントを最小化するため)

そして想定用途が明記されています。

30 meters will support the majority of data center architectures

(30mでデータセンターアーキテクチャの大半を支えられる)

40GBase-T will work anywhere in a data center where 30-meter connections will reach

(40GBASE-Tは、30mの接続が届くデータセンターのどこでも機能する)

用途はサーバーとスイッチの接続で、ToR(Top-of-Rack)やEoR(End-of-Row)の構成が想定されています。家庭やオフィスの一般配線についての記載は、今回確認した資料の中では見つけられませんでした。 対象がデータセンターに限られている規格です。

だから「100フィートのカテゴリー8で40Gbps」は成り立たない

100フィートは30.48mです。規格のチャネル長上限30mを超えています。 今回調べた6本のうち1本がこの構成でした。

さらに大きな問題があります。40GBASE-Tに対応したポートを持つ家庭用機器が存在しません。 家庭用のWiFiルーターのLANポートは1Gbps(1000BASE-T)が主流で、上位機種で2.5Gbpsや10Gbpsです。40Gbpsを受け取る側がないので、カテゴリー8を買っても40Gbpsは使えません。ルーター側の選び方はWiFiルーターの比較記事にまとめています。

ケーブルのカテゴリーを上げても、両端の機器のポート速度が上限になります。 これはHDMIケーブルでまったく同じ構図が起きていて、HDMIケーブルの比較記事に書きました。USB規格でも同じです(ポータブルSSDの比較記事)。

カテゴリーごとの規格値を一覧にすると

商品の表記が正しいかを判断するために、規格側の数字を並べておきます。

カテゴリー 周波数帯域 想定する最大速度 主な規格
カテゴリー5e 100MHz 1Gbps(1000BASE-T) TIA-568
カテゴリー6 250MHz 1Gbps(10Gbpsは55m以内) TIA-568
カテゴリー6A 500MHz 10Gbps(100m) ISO/IEC 11801 Ed 2.1、TIA-568-C.2
カテゴリー7(Class F) 600MHz 10Gbps(100m) ISO/IEC 11801
カテゴリー8 2000MHz 40Gbps(30m) ANSI/TIA-568-C.2-1、IEEE 802.3bq

カテゴリー6は250MHzです。 「カテゴリー6で550MHz」という表記を見かけたら、それは規格の数字ではありません。

カテゴリー7はISO/IEC 11801の規格です。 TIAの568系規格(ANSI/TIA/EIA-568-B など)にカテゴリー7は含まれていません。「ANSI/TIA/EIA 568-B規格に準拠したCat7」という記載は、規格名の取り違えです。

6本の比較

# 製品 価格 カテゴリー 表示の周波数 表示速度 長さ 表記の整合 評価/件数
1 UGREEN LANケーブル 600円 6 250MHz 1Gbps 5m 合っている 4.8/440件
2 ecjtu Cat6 6本パック 2,373円 6 550MHz 10Gbps 1.5m×6 不一致 4.8/582件
3 DIGITUS Cat.6A スリム 2,315円 6A 500MHz 10Gbps 0.5m 合っている 4.8/209件
4 CableGeeker Cat7 フラット 4,490円 7 600MHz 10Gbps 15.2m 規格名が誤り 4.8/1,592件
5 VOIETOLT Cat8 5本パック 4,916円 8 2000MHz 40Gbps 3.05m×5 用途が不一致 4.8/582件
6 YSONG Cat8 100フィート 5,291円 8 2000MHz 40Gbps 30.5m 規格上限超過 4.9/68件

1. UGREEN LANケーブル 5M(600円)

今回いちばん安く、いちばん表記が正確だった製品です。 4.8で440件。

商品名は「UGREEN LAN ケーブル 5M」だけ。カテゴリーも速度も書いていません。仕様欄を見ると「イーサネットケーブルのカテゴリー: カテゴリ6」「データ転送速度: 1 ギガビット毎秒」「周波数: 250 MHz」。

カテゴリー6は規格上250MHzで、家庭で使う1000BASE-Tは1Gbps。全部合っています。 10Gbpsを謳っていない点も、5mという長さなら通る可能性はあるのに控えめで、正確です。保証は2年間のメーカー保証、原産国は中国、ピン数8と、仕様欄が素直に埋まっています。

欠点が3つあります。

1つめ。非シールド(UTP)かシールドかの記載を確認できませんでした。 カテゴリー6の10GBASE-Tは、非シールドだと55m、シールドだと100mで到達距離が倍違います。5mなら実用上問題になりませんが、仕様としては不明です。

2つめ。10Gbpsの環境には向きません。 仕様欄が1Gbpsと明記しているので、2.5Gbpsや10Gbpsのポートを持つ機器につないで上限まで出したい場合は、カテゴリー6A以上を選ぶ必要があります。表記が正確なぶん、用途は限定されます。

3つめ。商品説明が商品名の繰り返しだけです。 導体の材質(純銅かCCAか)、AWG(太さ)、ジャケットの材質の記載を見つけられませんでした。価格を考えれば妥当ですが、長く這わせる用途では判断材料が足りません。

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2. ecjtu Cat6パッチケーブル 5フィート 6本パック(2,373円)

6色セットでケーブル識別がしやすい製品です。4.8で582件。1.5m×6本で2,373円。

欠点が3つあります。

1つめ。「カテゴリー6で最大550MHz」は規格の数字ではありません。 カテゴリー6は250MHzです。550MHzはカテゴリー6A(500MHz)を超える値で、独自の測定値だと考えられますが、根拠の記載を確認できませんでした。あわせて商品説明の「転送速度は最大10Gpbs」は「Gbps」の誤記です。

2つめ。仕様欄の「データ転送速度」が「10240 メガバイト毎秒」になっています。 10Gbpsをメガバイト毎秒に直すと1,250MB/sです。10,240という数字は、10Gbpsの「10」に1024を掛けた形で、ビットとバイトを混同しています。8倍の誤りです。

3つめ。導体が24AWGのCCA(銅被覆アルミ)です。 CCAは銅の層をアルミに被せた線で、純銅より抵抗が大きく、PoE(給電)や長距離では不利になります。TIA/EIAの配線規格が前提としているのは純銅導体です。非シールド(UTP)でもあるので、前述のとおり10GBASE-Tの到達距離は55m・最悪37mの側に入ります。仕様欄の「特別用途食品」欄には「ANSI, CL3, CSA, EIA, ETL, FCC, IEC, ISO, RoHS, TIA, UL, USB-IF」と並び、LANケーブルにUSBの規格団体が混ざっています。

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3. DIGITUS LANケーブル Cat.6A 0.5m スリム(2,315円)

規格値と表記が合っていた2本のうちの1本です。 4.8で209件。ドイツのブランドで、型番DK-1632-A-005S。

カテゴリー6Aで「最大10,000Mbps(10Gbps)」「500MHzの全帯域幅」。カテゴリー6Aの規格は500MHz・10Gbpsなので、正確です。 F/FTPのシールド構造、LSZH(低煙無ハロゲン)ジャケット、PoE+(IEEE 802.3at)で最大30Wと、規格名を正しく添えています。0.5mで19グラム、外径3.8mm。

欠点が3つあります。

1つめ。AWG 32/7という細さです。 カテゴリー6Aの標準的な単線は22〜24AWGで、32AWGはスリム品向けの細線です。細いほど抵抗が大きく、距離が伸びません。0.5mという長さの製品なので設計としては筋が通っていますが、この太さで長距離を這わせる用途には使えません。 同じブランドの長尺品を買うときは、AWGを確認する必要があります。

2つめ。0.5mしかありません。 機器を並べて置く場合やパッチパネル用で、テレビとルーターを別の部屋でつなぐ用途には使えません。0.5mで2,315円は、5mで600円の製品と比べると長さあたりでは高くなります。

3つめ。仕様欄のフィールドが誤用されています。 「特別用途食品: ISO, IEC, IEEE, DIN EN 50173, CAT 6, PoE+」。規格名が食品用の欄に入っています。商品名も「Cat.7、Cat.6、Cat.」で途切れています。商品説明の「RJ45プラグのおかげで、CAT.5e、CAT.6、CAT.7、CAT.8ケーブルのネットワークと互換性があります」は、カテゴリーの違うケーブル同士をつないでも、低いほうの性能になるという点を書いていません。

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4. CableGeeker Cat 7 シールド フラット 50ft(4,490円)

今回いちばんレビューが多い製品です。1,592件で評価4.8。 50フィート(約15.2m)のフラットケーブルで、カーペットの下や壁沿いに設置できる形。ケーブルクリップ25本付き。

欠点が3つあります。

1つめ。商品説明の規格名が誤っています。 こう書かれています。

ANSI/TIA/EIA 568-B規格に準拠したCat7ネットワークケーブルは、最大10Gbpsの速度に対応し

ANSI/TIA/EIA-568-Bにカテゴリー7は含まれていません。 カテゴリー7(Class F)はISO/IEC 11801の規格です。TIAの568系が規定しているのはカテゴリー6Aまでで、568-Bの時代はカテゴリー6まででした。レビュー1,592件でいちばん売れている製品の、規格名の記載が間違っています。

2つめ。仕様欄が複数箇所おかしいです。 「コネクタのオス/メス: オス-メス」(パッチケーブルはオス-オス)、「コネクタ: LAN」「コネクタタイプ: LAN」(RJ45と書くべき欄)、「対応アイテム: スマートフォン」「対応デバイス: スマートフォン」(LANケーブルの対応機器がスマートフォン)、「特徴: データ転送, 高速充電」(LANケーブルに高速充電)。「屋内屋外での使用: 屋外用」とありますが素材はPVCです。

3つめ。15.2mのフラットケーブルで32AWGです。 細線で長距離を這わせる構成になります。フラット形状のケーブルは、より対線のねじりが円形ケーブルと異なるため、ノイズ耐性の面では不利になりやすい形です。この長さは、前述のカテゴリー6非シールドの55m制限の範囲には収まりますが、10GBASE-Tを安定して通すなら、シールド構造とAWGの両方を確認したいところです。

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5. VOIETOLT Cat 8 フラット 10フィート 5パック(4,916円)

カテゴリー8で40Gbps、2000MHz。10フィート(約3.05m)が5本で4,916円。4.8で582件。

長さについては問題ありません。3.05mは30mの上限に十分収まります。 純銅導体、4対のアルミホイルシールド、金メッキRJ45という構成です。

欠点が3つあります。

1つめ。40Gbpsを使える機器が家庭にありません。 40GBASE-Tはデータセンターのサーバーとスイッチをつなぐ規格です。家庭用ルーターのLANポートは1Gbpsが主流なので、このケーブルをつないでも出るのは1Gbpsです。 「複数回線での高速データ転送をサポート」という説明は、ケーブル側の帯域の話であって、実際に出る速度ではありません。

2つめ。商品説明の日本語が壊れています。 「インターネットを使用してアップロードやダウンロード、HDビデオの再生、ゲームをするときに遅延や遅延が発生し」——「遅延や遅延」と同じ語が重複し、文が途中で切れています。

3つめ。仕様欄の「モデル番号」が「B0FNR1591K」になっています。 これはAmazonの商品コード(ASIN)そのもので、製品の型番ではありません。メーカー型番は「CAT8」だけで、モデルの区別がつきません。保証に関する記載も、今回確認した範囲では見つけられませんでした。シールド表記は「SSTP」で、一般的なS/FTPとは異なる書き方です。

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6. YSONG Cat 8 イーサネットケーブル 100フィート(5,291円)

4.9で68件。100フィート(約30.5m)、40Gbps、2000MHz、屋外屋内両用を謳う製品です。

この製品は、自分の商品説明で用途を正しく書いています。

データセンター、コンピュータルーム、クラウドコンピューティングコンピューターでの短距離伝送と短距離接続に適しています。

データセンター向けで短距離用、と自分で書いているのです。 そのうえで100フィートを売っています。

欠点が3つあります。

1つめ。100フィート(30.48m)は、カテゴリー8のチャネル長上限30mを超えます。 ANSI/TIA-568-C.2-1が定める30mは、パッチコードを含むチャネル全体の長さです。この1本だけで上限に達するか、わずかに超えます。40Gbpsという表示が規格の条件下で成立しない長さです。 1Gbpsや10Gbpsで使うなら30.5mは問題ありませんが、それならカテゴリー6Aで足ります。

2つめ。「Cat6の動作帯域幅の4倍」という計算が合いません。 カテゴリー6は250MHzです。2000MHz ÷ 250MHz = 8倍です。4倍になるのはカテゴリー6A(500MHz)と比べた場合です。あわせて商品説明の末尾に「SFP Optical module」という語が混ざっていますが、SFPは光モジュール用のスロットで、RJ45のLANケーブルとは別の規格です。

3つめ。30.5mで30AWGという細さです。 細線で長距離を這わせると減衰が大きくなります。「屋外用」と書かれていますがジャケットはPVCで、紫外線や温度変化への耐性に関する記載を確認できませんでした。レビュー68件で4.9という数字は、1,592件の製品と同じ精度では読めません。

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こう選ぶといい

手順1。まずルーターと機器のLANポートの速度を調べる。

ケーブルは機器の上限を超えられません。必要なカテゴリーは、つなぐ両端で決まります。

機器側のポート 必要なカテゴリー 距離の目安
1Gbps(1000BASE-T) カテゴリー5eで足りる 100m
2.5Gbps(2.5GBASE-T) カテゴリー5eでも通る。6なら確実 100m
10Gbps(10GBASE-T)・短距離 カテゴリー6 55m以内(束ねるなら37m)
10Gbps(10GBASE-T)・長距離 カテゴリー6A 100m
40Gbps カテゴリー8(データセンター用) 30m

家庭で迷ったらカテゴリー6Aです。 Ciscoの白書も新規設置にはカテゴリー6A以上を推奨しています。10Gbpsを100mまで保証する最も安いカテゴリーで、それ以上に上げても家庭用機器では使い道がありません。

手順2。周波数の数字が規格と合っているか見る。

カテゴリー6は250MHz、6Aは500MHz、7は600MHz、8は2000MHzです。「カテゴリー6で550MHz」のように規格値と違う数字が書いてあったら、独自測定値です。 根拠が書かれているかを確認してください。

手順3。長さとAWGを一緒に見る。

今回の6本はAWGが30から24まで分かれていました。細い(数字が大きい)ほどスリムで扱いやすい反面、距離が伸びません。0.5mで32AWGは合理的、30.5mで30AWGは厳しいという読み方になります。商品名にAWGが書いていない場合は仕様欄を見ます。

手順4。導体が純銅かCCAかを確認する。

CCA(銅被覆アルミ)は安価ですが抵抗が大きく、PoE給電や長距離で不利です。配線規格が前提にしているのは純銅です。今回、CCAと明記していたのは1本(ecjtu)でした。書いていない製品も多いので、PoEで機器に給電するなら純銅と明記されたものを選ぶのが安全です。

手順5。シールドの有無を確認する。

カテゴリー6の10GBASE-Tは、非シールド(UTP)で55m、シールドで100mです。同じカテゴリー6でも倍違います。 表記はUTP(非シールド)、STP/FTP/S/FTP(シールド)です。束ねて配線する、電源ケーブルと並走させる、という条件ならシールド品が有利になります。

手順6。フラットケーブルは短距離で使う。

カーペット下や扉の隙間を通せるのが利点ですが、より対線の構造が円形ケーブルと異なるため、長距離や高帯域では不利になりやすい形状です。今回の15.2mと30.5mの製品はどちらもフラットでした。

デスク周りの機器接続はUSB-Cドックの比較記事もあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. カテゴリー8を買っておけば将来も安心ですか。

40GBASE-Tはデータセンター向けの規格で、チャネル長30mが上限です。家庭用機器に40Gbpsのポートが載る見込みは、今のところ確認できていません。将来のためならカテゴリー6A(10Gbps・100m)が現実的な上限です。 カテゴリー8は価格も高く、今回の6本では最も高い2本がカテゴリー8でした。

Q. カテゴリー7やカテゴリー8のケーブルを1Gbpsのルーターにつなぐと速くなりますか。

なりません。出るのは1Gbpsです。ケーブルの帯域は上限で、実際の速度は両端の機器が決めます。

Q. 「2000MHz」は「250MHz」の8倍だから8倍速いということですか。

周波数帯域と速度は比例しません。10GBASE-Tはカテゴリー6A(500MHz)で10Gbps、40GBASE-Tはカテゴリー8(2000MHz)で40Gbpsですが、これは符号化方式や対線の使い方を含めた規格全体で決まる数字です。帯域が4倍で速度が4倍というのは結果的な一致で、周波数だけで速度は決まりません。

Q. 古いカテゴリー5eのケーブルは買い替えたほうがいいですか。

1Gbpsで使うなら買い替える理由はありません。カテゴリー5eは100m・1Gbpsの規格です。2.5Gbpsも条件次第で通ります。10Gbpsのポートを持つ機器を導入したときが、買い替えを検討するタイミングです。

Q. フラットケーブルは避けるべきですか。

短距離で、1Gbpsで使う分には実用的です。カーペット下や扉を通せる利点は大きいです。10Gbpsを長距離で通したいときは円形のシールド品を選ぶ、という使い分けになります。

Q. カテゴリー6のケーブルで10Gbpsと書いてあるのは嘘ですか。

嘘ではありません。IEEE規格が55m(最悪条件37m)という到達距離を示しているので、短距離なら通ります。書いていないのは距離の条件です。 家庭で5mや10mなら問題になりにくく、50mを超えるなら条件が厳しくなります。

Q. CCAのケーブルは使ってはいけませんか。

1Gbpsの短距離なら実用上の問題は出にくいです。避けたいのはPoE給電と長距離です。 抵抗が大きいぶん発熱と電圧降下が増えます。監視カメラやアクセスポイントにPoEで給電するなら、純銅と明記された製品を選んでください。

まとめ

  • カテゴリー8の40Gbpsは、チャネル長30mが上限の規格(ANSI/TIA-568-C.2-1、IEEE 802.3bq 40GBASE-T)。30mになったのは物理層ICの消費電力とのトレードオフで、用途はデータセンターのサーバー・スイッチ間。
  • それなのに100フィート(30.48m)のカテゴリー8が40Gbpsを謳って売られていた。 その製品の説明文自身が「データセンター…短距離伝送に適しています」と書いていた。
  • 10GBASE-Tの到達距離はカテゴリーで変わる。 カテゴリー6の非シールドは55m、束ねた最悪条件では37m。シールドなら100m、カテゴリー6Aなら100m。Ciscoは新規設置にカテゴリー6A以上を推奨。
  • 規格の周波数帯域は、6が250MHz、6Aが500MHz、7が600MHz、8が2000MHz。 「カテゴリー6で550MHz」は規格値ではない。
  • カテゴリー7はISO/IEC 11801の規格で、TIAの568系には含まれない。 最多レビュー(1,592件)の製品が「ANSI/TIA/EIA 568-B規格に準拠したCat7」と書いていた。
  • 10Gbpsを「10240 メガバイト毎秒」と書いた製品があった。 正しくは1,250MB/s。8倍の誤り。
  • 6本で、カテゴリーの規格値と表記が全部合っていたのは2本(600円のUGREENと、2,315円のDIGITUS Cat.6A)。いちばん安い製品がいちばん正確だった。
  • 仕様欄のフィールド誤用が目立った。LANケーブルに「USB-IF」「高速充電」「対応デバイス: スマートフォン」、規格名が「特別用途食品」欄に入っていた製品が2本。
  • 家庭で迷ったらカテゴリー6A。 10Gbpsを100mまで保証する最も安いカテゴリーで、それ以上は家庭用機器に使い道がない。

出典

  • Cisco「10GBASE-T」技術白書(カテゴリー6非シールド55m・最悪37m、カテゴリー6シールド100m、カテゴリー6A 100m・500MHz、カテゴリー7はISO/IEC 11801の600MHz、新規設置はカテゴリー6A以上を推奨、TSB-155) https://www3-realm.cisco.com/en/US/prod/collateral/switches/ps5718/ps6021/white_paper_c11-609513.html (2026年10月19日確認)
  • Cabling Installation & Maintenance「Category 8’s 30-meter reach is not a stretch」(ANSI/TIA-568-C.2-1がチャネル距離30mを規定、IEEE P802.3bq、30mになった理由、データセンター向け用途、TSB-5019) https://www.cablinginstall.com/connectivity/article/16469327/category-8s-30-meter-reach-is-not-a-stretch (2026年10月19日確認)
  • 各製品のAmazon商品ページ(価格・評価・レビュー件数・商品説明・仕様欄)、2026年10月19日時点の表示

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