ポータブル電源、結局どれがいい?6機種を「容量の単位」と「PSEの対象外」で比較

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こんな場面で、選び方に迷っていませんか

防災用に、あるいは車中泊用にポータブル電源を買う。検索すると「1024Wh」と書かれた製品と「60000mAh」と書かれた製品が同じ検索結果に並びます。

単位が違うので、そのままでは比べられません。 そして「定格出力500W」と「瞬間最大1000W」と「電力リフト1500W」が、どれも同じ欄に書かれています。

調べた結果を先に書きます。

ポータブル電源は、電気用品安全法の規制対象外です。 経済産業省のページに「ポータブル電源は、現在、電気用品安全法の規制対象外です」と明記されています。理由も公開されていて、交流を出力できるからです。

モバイルバッテリーは規制対象です。 つまり容量が小さいほうが規制され、大きいほうが外れているという形になっています。

容量をmAhだけで書いている製品は、電力量に換算できません。 Wh = Ah × V なので、電圧が書かれていないと計算できません。今回、タイトルに「60000mAh」、仕様欄に「15Ah」と書かれた製品がありました。4倍食い違っていて、Whはどこにも書かれていません。

「瞬間最大◯◯W」が何秒持つのかを書いていたのは、6機種のうち1機種だけでした。

ポータブル電源は電気用品安全法の対象外

まず法規側を確認します。経済産業省の「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)について」に、こう書かれています。

リチウムイオン蓄電池等を搭載するとともに交流を出力するポータブル電源は、近年、災害時やアウトドアで家電の利用やスマートフォンなどの充電が可能な手段として消費者に浸透しています。

一方で、独立行政法人製品評価技術基盤機構に寄せられた消費生活用製品安全法令に基づく情報(重大・非重大製品事故情報)によると、ポータブル電源の使用による事故(全て火災)が増加傾向にあり、一定の電気的リスク(火災・感電等)が存在しています。

ポータブル電源は、現在、電気用品安全法の規制対象外ですが、一定の電気的リスク(火災・感電等)が存在する中、同製品特有の安全性要求事項が存在しないこと等を踏まえ、経済産業省は、令和5年度に…2024年2月、安全対策を盛り込んだ安全性要求事項(中間取りまとめ)をとりまとめました。

3点を押さえてください。

  1. 規制対象外
  2. 事故は全て火災で、増加傾向
  3. 2024年2月にまとめられた「安全性要求事項」は、法規制ではなく業界向けの取りまとめ

なぜ対象外なのか

理由は、経済産業省のモバイルバッテリーに関するFAQに書かれていました。

蓄電池の出力は原理上直流に限られており、交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象

一方、モバイルバッテリー(リチウムイオン蓄電池)が規制対象になる条件はこうです。

内蔵する単電池1個当たりの体積エネルギー密度が、400Wh/L(ワット時毎リットル)以上のものが対象となる。

つまり「交流(AC100V)コンセントが付いているかどうか」で、規制の有無が分かれています。 AC出力があればポータブル電源として非対象、なければ蓄電池として扱われ、単電池の体積エネルギー密度が400Wh/L以上なら対象。

これは実務的にややこしい結果を生みます。今回確認した6機種のうち1機種はAC出力を搭載していません(DC・USBのみ)。この機種は「蓄電池」側に入りますが、体積エネルギー密度が商品ページに書かれていないので、PSEの対象かどうかは買う側には判断できません。

それでも「PSE認証済」と書かれている

ここが紛らわしいところです。今回確認した機種のうち1つは、商品説明にこう書いていました。

日本規格のPSE検査をはじめ、ISO9001、UN38.8など世界基準の様々な安全規格、品質テストに合格しています。

本体が電気用品安全法の対象外である製品に「PSE検査に合格」と書かれています。 付属のACアダプターや充電器が対象である可能性、あるいは自主的に同等の試験をした可能性が考えられますが、どの部分の何の試験なのかは商品ページからは分かりませんでした。

「PSEマークがあるから安心」という判断は、このカテゴリでは成り立ちません。 見るべきは、BMS(バッテリー管理システム)の記載、セルの種類、保護機能の具体的な記述です。

容量の単位が揃っていない

ポータブル電源の容量は本来Wh(ワット時)で表します。Wh = Ah(アンペア時)× V(ボルト)です。

今回の6機種で、容量の書き方は3通りに分かれました。

正しい書き方(電圧つき) — Jackeryの「ポータブル電源 600 New」は、注記にこう書いています。

※定格容量:20Ah/32V DC (640Wh)

20 × 32 = 640。Ah・V・Whの3つが揃っていて、検算できます。 6機種でこれをやっていたのはJackeryだけでした。

Whだけ(電圧なし) — BLUETTI「288Wh」、AFERIY「1024Wh」など。Whが分かれば使用時間は計算できるので、実用上はこれで足ります。

mAhだけ(Whなし) — PONAMOSの製品は、タイトルが「大容量 60000mAh」です。Whの表記がありません。そして商品仕様欄にはこう書かれています。

項目 値
バッテリー容量 15 amp_hours(=15Ah)
電圧 12 ボルト
電源出力(全ポート合計) 100W

タイトルの「60000mAh」は60Ah。仕様欄は「15Ah」。4倍違います。

どちらかが「セルの合計」、どちらかが「12V系に換算した値」だと推測できます。計算してみると、

  • 60Ah × 3.6V(リチウム単電池の公称電圧)= 216Wh
  • 15Ah × 12V = 180Wh

どちらにしてもWhは書かれていないので、買う側が電圧を仮定して計算するしかありません。

さらに、タイトルは「合計出力268W」ですが、仕様欄の「電源出力(全ポート合計)」は「100W」でした。2.68倍違います。

mAhだけが書かれている製品は、容量を比較する材料になりません。 これは「安い製品が悪い」という話ではなく、単位が揃っていないので比較できないという話です。

「瞬間最大◯◯W」は何秒持つのか

ポータブル電源の出力には2種類あります。

定格出力 — 連続して出せるW数。
瞬間最大出力(サージ出力) — 起動時の一瞬だけ出せるW数。冷蔵庫やポンプのようにモーターを含む家電は、起動時に定格の2〜3倍を引きます。

今回の6機種の表記はこうでした。

製品 定格出力 瞬間最大の表記 持続時間の記載
SmartTap PowerArQ2 300W ピークパワー450W あり
Jackery 600 New 500W 瞬間最大1000W なし
BLUETTI AORA30 V2 600W 電力リフト1500W なし
Jackery 1000 New V3 1500W 記載なし —
AFERIY Nomad1800 1800W 瞬間最大3600W なし
PONAMOS P72 AC出力なし — —

持続時間を書いていたのはSmartTapだけです。

過負荷保護:300W以上450W未満の場合、約120秒間動作。450W以上の場合、約1秒間動作。

これが本来必要な情報です。 「瞬間最大3600W」と書かれていても、それが1秒なのか120秒なのかで、使える家電が変わります。

そして「電力リフト」はBLUETTIの独自用語です。 一般的な「瞬間最大出力」とは仕組みが違う機能とされていて、他社の「瞬間最大」と同じ軸では比べられません。用語が各社バラバラで、統一されていません。

サイクル寿命の年数換算が合わない例

各社とも「◯◯回の充放電サイクル後も容量◯◯%」と「1日1回使って◯年」を併記しています。割り算で検算できます。

製品 サイクル 残存容量 書かれている年数 サイクル÷365
Jackery 600 New 6,000回 70% 「10年間以上」 16.4年 ✓
Jackery 1000 New V3 約6,000回 70% 「10年以上」 16.4年 ✓
AFERIY Nomad1800 4,000+回 80%以上 「10年〜20年」 11.0年
BLUETTI AORA30 V2 3,000回 80%以上 「10年以上の寿命」 8.2年

Jackeryの2機種は、1日1回の計算で成立します。

AFERIYの「10年〜20年」のうち20年は、1日1回では出ません。 4,000回 ÷ 365日 = 約11年。20年にするには1日あたり0.55回、つまり2日に1回の使用が前提です。

BLUETTIの「1日1回使用でも10年以上の寿命」も、3,000回では成立しません。 3,000 ÷ 365 = 約8.2年です。

どちらも虚偽とは言えません。 「1日1回」以外の使用頻度を想定している可能性があります。ただし書かれている前提では計算が合わないので、年数の表記は当てにせず、サイクル回数と残存容量の2つで比べるのが確実です。

待機電力は、防災用途で効いてくる

満充電にして押し入れに置いておく。これが防災用途の実際の使い方です。ここで効くのが待機電力です。

BLUETTIのAORA30 V2は、商品説明にこう書いています。

待機時の消費電力はわずか4.5Wで、省エネ性能にも優れています。

計算してみます。この機種の容量は288Whです。

  • 4.5W × 24時間 = 1日108Wh
  • 288Wh ÷ 108Wh = 約2.7日

AC出力をオンのまま置いておくと、3日弱で空になる計算です。 288Whに対して4.5Wは小さい数字ではありません。

同じことを、SmartTapは注意事項として書いていました。

※AC出力がオンの際、インバーターやファンの作動で、数Wの消費電力が発生するため、実際の使用時間は理論値よりも若干少なくなります。

6機種で、この注記を書いていたのはSmartTapだけでした。 待機電力の数値を公開していたのはBLUETTIだけです。

防災用に置いておくなら、AC出力はオフにして、数ヶ月に1回は充電状態を確認してください。 これは製品の欠点というより、リチウムイオン電池を使う機器すべてに共通する運用上の注意です。

6機種の比較

2026年10月時点で確認した価格です。Amazonの価格は変動します。比較表示の「◯%OFF」が何と比べた数字かは、こちらの記事で定義を確認しました。

製品 容量 定格出力 瞬間最大 セル サイクル 重量 保証 価格 評価
PONAMOS P72 mAh表記のみ AC出力なし — リン酸鉄 約3,000回 1.6kg 2年 17,990円 4.8/126件
BLUETTI AORA30 V2 288Wh 600W 電力リフト1500W 記載が矛盾 3,000回/80% 4.3kg 5年 39,800円 4.8/25件
SmartTap PowerArQ2 500Wh 300W ピーク450W(秒数明記) リチウムイオン 記載なし 6.2kg 2年 55,000円 4.5/1,452件
Jackery 600 New 640Wh(20Ah/32V) 500W 1000W リン酸鉄 6,000回/70% 6.4kg 3+2年 59,800円 4.7/34件
AFERIY Nomad1800 1024Wh 1800W 3600W リン酸鉄 4,000+回/80% 11.6kg 2+5年 63,992円 4.6/74件
Jackery 1000 New V3 1024Wh 1500W 記載なし リン酸鉄 約6,000回/70% 10.6kg 3+2年 109,800円 4.8/20件

評価はAmazonの星とレビュー件数です。20〜34件のものは判断材料として弱いので、件数も見てください。

1機種ずつ

PONAMOS P72(17,990円・AC出力なし)

1.6kgで6機種で最軽量。ライトとストラップが付き、USB-C×2・USB-A×2・DC出力の5ポート。リン酸鉄で約3,000回。PD65Wアダプター・ソーラーケーブル・シガー入力ケーブルが同梱で、付属品は充実しています。星4.8/126件。

欠点が3つあります。

AC出力がありません。 タイトルに「ポータブル電源」とありますが、商品名の後半に「※AC出力ポート非搭載」と明記されています。家電は使えません。 スマホ・タブレット・ノートPCの充電用です。

容量がmAhだけで、しかも食い違っています。 前述のとおりタイトル60000mAh、仕様欄15Ah、電圧12V。Whはどこにもありません。

出力の表記も食い違っています。 タイトル「合計出力268W」、仕様欄「電源出力(全ポート合計) 100W」。

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BLUETTI AORA30 V2(39,800円・288Wh)

4.3kgで、AC出力つき5機種の中では最軽量。定格600Wに加えて最大1500Wの電力リフトモード。PD3.1対応USB-C(140W)を含む9ポート。約30dBの静音設計、停電時10ミリ秒で自動切替。5年保証は6機種で最長クラスです。 筐体はUL94V-0認証の難燃材。星4.8/25件。

欠点が3つあります。

容量288Whは6機種で最小です。 電気ケトル(一般に1200W前後)や電子レンジは、定格600Wでは動きません。商品説明は「トースターや電気ケトルなどの家電にも幅広く対応します」としていますが、これは電力リフトモード(最大1500W)を使った場合の話で、288Whの容量では短時間しか持ちません。 1200Wの機器なら計算上14分前後です。

セルの種類の記載が矛盾しています。 商品説明は「コバルトフリーの高い安全性リン酸鉄リチウムバッテリー(LiFePO4)を採用」。一方、商品仕様欄の「バッテリーセルタイプ」は「リチウムポリマー」。同じページで別の電池が書かれています。

「1日1回使用でも10年以上の寿命」が計算に合いません。 3,000回 ÷ 365 = 8.2年。レビューは25件と少なめです。

Amazon / 楽天

SmartTap PowerArQ2(55,000円・500Wh)

今回の6機種で、仕様の書き方がもっとも誠実でした。 瞬間最大出力の持続時間(300W以上450W未満で約120秒、450W以上で約1秒)を数値で書き、AC出力オン時の待機消費についても注記しています。日本のブランドで、レビューは1,452件と6機種で最多。星4.5。

AC出力100V/3A、通常300W、ピーク450W。USB-A×2、USB-C(PD)、ワイヤレス充電(最大10W)、DC5521、シガーソケット。他社のソーラーパネル(MC4端子・出力14〜40V)からも充電できます。

欠点が3つあります。

セルがリチウムイオン(三元系)です。 商品仕様欄の「バッテリーセルタイプ」は「リチウムイオン」。他の5機種はリン酸鉄(LiFePO4)を訴求しています。リン酸鉄のほうがサイクル寿命が長く熱的に安定とされるので、ここは世代差です。

サイクル寿命の記載が見つかりませんでした。 6機種で唯一です。

保証2年で、価格あたりの容量は良くありません。 55,000円で500Wh。Jackery 600 New(59,800円で640Wh)と比べると、4,800円差で140Wh少ない。2019年発売の世代の製品です。

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Jackery 600 New(59,800円・640Wh)

容量表記がもっとも正確でした。 「定格容量:20Ah/32V DC (640Wh)」と、Ah・V・Whの3つを書いています。6,000回で70%維持。ACで最速1.7時間、ソーラー(最大200W)で3.8時間。UPSは0.01秒切替、パススルー対応。3年+製品登録で2年の最大5年保証と、使用済み製品の無償回収リサイクル。星4.7/34件。

A4より小さい薄型で6.4kg。1〜2泊のキャンプや家庭の非常用に合う容量です。

欠点が3つあります。

定格500Wなので、消費電力の大きい家電は動きません。 電子レンジ、電気ケトル、ドライヤーはいずれも1000W超が一般的です。商品説明が挙げているのは「ノートパソコンやLEDライト」「電気毛布や小型冷蔵庫」で、ここは正直な書き方です。

本体寸法の表記が3通りありました。 商品説明「L31W20.5H15.7cm」、仕様欄「20.5×31.1×15.7cm」、「商品本体サイズ 30×19.7×21.9cm」。前2つは軸の順序違いですが、3つ目は別の数字です。

レビュー34件と少ないです。 星4.7は高いものの、母数が小さい数字です。

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AFERIY Nomad1800(63,992円・1024Wh)

1024Whで定格1800W。価格あたりの性能は6機種で最良でした。 瞬間最大3600W。AC×4、USB-A×2、USB-C×2、DC5521×2、シガー×1の11ポート。4,000回以上で80%以上。25dB以下の静音、SOSフラッシュ付きLED。2年+会員登録で5年延長=計7年保証は6機種で最長です。 星4.6/74件。

定格1800Wあれば、電子レンジ・電気ケトル・ドライヤーが使えます。この価格帯でそれができるのはこの1機種でした。

欠点が3つあります。

充電時間の表記が食い違っています。 商品説明は「AC + ソーラー「PV」充電で 36分で満充電可能」。一方、商品仕様欄の「急速充電性能」は「AC+PV約36分で80パーセント」。満充電と80%で違います。

「10年〜20年」の20年が計算に合いません。 4,000回 ÷ 365 = 11年です。

11.6kgで6機種で最重です。 女性や高齢の方が階段を運ぶ重さではありません。防災用途では置き場所から動かさない前提で考えてください。

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Jackery 1000 New V3(109,800円・1024Wh)

1024Wh・定格1500Wで10.6kg。前モデル比19%小型化。約6,000回で70%維持。通常AC約1.25時間、ACとソーラー/DC入力を同時接続する緊急充電モードで最短約50分。3口のACを2グループに分けて独立オン/オフできる「AC分路独立制御」を搭載し、アプリまたは本体から給電先を切り替えられます。星4.8/20件。

停電時に「必要な家電だけ動かす」ための機能が入っているのは、6機種でこれだけでした。 防災用途では残量管理が効きます。

欠点が3つあります。

同容量のAFERIY(63,992円・定格1800W)と比べて45,808円高く、定格出力は300W低いです。 差額の根拠は、サイクル6,000回(AFERIYは4,000回)、1kg軽い、AC分路独立制御、国内サポートといった要素になります。容量と出力の数字だけで見ると割高です。

レビュー20件で6機種で最少です。 2年ぶりの新モデルで、評価が固まっていません。

セット商品は個別梱包・別便で届くと明記されています。 ソーラーパネルとのセットを買う場合、同時に届かない前提で注文してください。

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こう選ぶといい

何を動かしたいかを先に決めてください。 容量(Wh)ではなく、定格出力(W)で動くかどうかが決まります。

動かしたいもの 必要な定格出力の目安
スマホ・タブレット・ノートPC 100W前後
LEDライト・扇風機・Wi-Fiルーター 100W以下
電気毛布・小型冷蔵庫 100〜200W
炊飯器・コーヒーメーカー 600〜1000W
電子レンジ・電気ケトル・ドライヤー 1200W以上

消費電力の大きい家電を使いたい → AFERIY Nomad1800
定格1800Wは6機種で唯一、電子レンジ・ケトル・ドライヤーが動く水準です。1024Whで63,992円。重さ11.6kgと充電時間の表記の食い違いは、承知の上で選ぶ前提です。

防災用に、必要な家電だけを長く動かしたい → Jackery 1000 New V3
AC分路独立制御で残量を管理できます。サイクル6,000回も最長クラス。ただし同容量のAFERIYより45,808円高いです。

1〜2泊のキャンプ、家庭の非常用 → Jackery 600 New
640Whで6.4kg。容量表記が検算できるのはこの機種だけでした。定格500Wなので、大きい家電は動きません。

軽さと価格を優先、家電は使わない → BLUETTI AORA30 V2
4.3kgで39,800円、5年保証。288Whなので、スマホ・PC・ルーター用です。セルの種類の記載矛盾は購入前に確認してください。

仕様の書き方を信用したい → SmartTap PowerArQ2
瞬間最大の持続時間と待機消費を書いているのはこの機種だけでした。ただし容量あたりの価格は良くなく、セルは三元系です。

AC電源が不要、スマホとPCだけ → より素直な大容量モバイルバッテリーを検討
AC出力のないポータブル電源は、実質的に大型モバイルバッテリーです。容量をWhで表記している製品を選んでください。

そして全機種に共通して、置き場所を先に決めてください。 4.3kg〜11.6kgあり、防災用途では「すぐ持ち出せる場所」と「重さ」が両立しません。

よくある質問

ポータブル電源はPSEマークがないと危ないですか

そもそも電気用品安全法の規制対象外なので、本体にPSEマークは付きません。 経済産業省が「ポータブル電源は、現在、電気用品安全法の規制対象外です」と明記しています。「PSE認証済」と書かれている場合、何の試験かは商品ページで確認してください。

mAh表記とWh表記はどう換算しますか

Wh = Ah × V です。mAhを1000で割ってAhにし、電圧をかけるとWhになります。電圧が書かれていなければ換算できません。 リチウム単電池の公称電圧3.6〜3.7Vを仮定する方法はありますが、その値がセル単体なのかパック全体なのかは外から判断できません。

「瞬間最大3600W」なら電子レンジが使えますか

何秒持つかが書かれていなければ判断できません。 今回それを書いていたのは1機種だけで、そこでは「450W以上の場合、約1秒間動作」でした。電子レンジを継続して使うなら、定格出力がその消費電力を超えている必要があります。

リン酸鉄(LiFePO4)と三元系はどちらがいいですか

サイクル寿命と熱的安定性ではリン酸鉄が有利とされ、今回の6機種のうち5機種がリン酸鉄を訴求していました。ただし体積エネルギー密度は三元系のほうが高いため、同じ容量なら三元系のほうが小型軽量になります。

満充電で置いておけば防災用になりますか

AC出力をオフにして、数ヶ月に1回は残量を確認してください。 AC出力をオンのままにすると待機電力を消費します。今回の1機種は待機4.5Wを公開していて、288Whの容量だと約2.7日で空になる計算です。

カタログの「10年使える」は本当ですか

サイクル回数を365で割って確認してください。 今回4機種が年数を書いていて、2機種は「1日1回」の前提で計算が合いませんでした(4,000回で「20年」、3,000回で「10年以上」)。サイクル回数と残存容量の2つで比べるのが確実です。

まとめ

  • ポータブル電源は電気用品安全法の規制対象外。 経済産業省が明記していて、理由は「交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため」
  • モバイルバッテリー(単電池の体積エネルギー密度400Wh/L以上)は規制対象。 容量の小さいほうが規制され、大きいほうが外れている
  • 経済産業省は「事故(全て火災)が増加傾向」と書き、2024年2月に安全性要求事項(中間とりまとめ)をまとめた。 これは法規制ではない
  • それでも「PSE検査合格」と書かれている製品がある。 何の試験かは商品ページから判断できない
  • 容量をmAhだけで書いている製品は換算できない。 タイトル「60000mAh」と仕様欄「15Ah」が4倍食い違う例があった。Whはどこにもない
  • 「瞬間最大◯◯W」の持続時間を書いていたのは6機種で1機種だけ。 そこでは「450W以上で約1秒」
  • サイクル寿命の年数換算が合わない例が2機種。 4,000回で「20年」、3,000回で「10年以上」。365で割れば分かる
  • 待機電力は防災用途で効く。 4.5Wを公開していた288Wh機は、AC出力オンのままだと約2.7日で空になる計算
  • 選ぶ順番は、容量(Wh)より先に定格出力(W)。 電子レンジ・ケトル・ドライヤーには1200W以上が必要

出典

  • 経済産業省「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)について」(規制対象外である旨、事故はすべて火災で増加傾向、2024年2月の取りまとめ/最終更新2024年4月4日)https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/system/potaburu-denngenn-youkyuu.html
  • 経済産業省「モバイルバッテリーに関するよくある質問」(体積エネルギー密度400Wh/L以上が対象、交流を出力するポータブル電源は蓄電池に該当せず非対象)https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/mlb_faq.html
  • 経済産業省「リチウムイオン蓄電池」(単電池1個当たりの体積エネルギー密度400Wh/L以上のものが対象)https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/lithium_ion_battery.html
  • 各製品の容量・定格出力・瞬間最大出力・セル種類・サイクル寿命・重量・保証・待機電力は、2026年10月6日時点のAmazon商品ページ(商品説明および商品仕様欄)で確認
  • 家電の消費電力の目安は一般的な製品の定格値で、機種により異なります

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