MagSafeモバイルバッテリー、結局どれがいい?5機種を実測容量とQi2規格で比較

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こんな場面で、選び方に迷っていませんか

iPhone 17や18に買い替えて、ケーブルを挿さずに背面にくっつけて充電できるバッテリーが欲しい。調べると「10000mAh」「MagSafe対応」「Qi2」と並んでいて、5,000円から12,000円まで価格差があります。

この記事で伝えたいことは2つです。

1つ目。「10000mAh」は、iPhoneに入る容量ではありません。 比較検証の実測では、公称容量に対して実際に取り出せたのは72%から86%でした。同じ「10000mAh」でも、製品によって実測が8,636mAhと7,816mAhに分かれています。

2つ目。「MagSafe対応」と書かれていても、iPhoneでは7.5Wしか出ない製品があります。 今回のXiaomi製品は「最大15W」と表記されていますが、メーカー自身の仕様表に「iPhoneシリーズ最大7.5W」と明記されています。

「10000mAh」は取り出せる容量ではありません

まず実測値です。マイベストの比較検証が公称容量と実測容量の両方を出しています。

製品 公称容量 実測容量 実測/公称
Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus) 10,000mAh 8,636mAh 86.4%
CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless2.2 Pro 10K 10,000mAh 7,816mAh 78.2%
Anker Nano Power Bank (5000mAh, MagGo, Slim) 5,000mAh 3,704mAh 74.1%
Xiaomi UltraThin Magnetic Power Bank 5000 5,000mAh 3,682mAh 73.6%
CIO SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K 3,000mAh 2,145mAh 71.5%

目減りの理由は電圧変換です。 バッテリーのセルは3.7V前後で、iPhoneに送るときは5Vや9Vに昇圧します。この変換で必ず損失が出ます。さらにワイヤレス充電の場合は、コイル同士の磁気結合でもう一段ロスが乗ります。

重要なのは、この効率が製品によって違うという点です。 86.4%と71.5%では15ポイントの差があります。公称容量だけを見て「10000mAhだから2回充電できる」と考えると、実際には足りません。

Ankerは自社の商品ページでこの点を正直に書いています。10,000mAhのNano Power Bank (MagGo, Plus) について「ほとんどの機種で約2回」としながら、「iPhone 17・17 Pro・17 Pro Max・16シリーズは2回未満」と明記しています。新しいiPhoneはバッテリー容量が増えているため、同じバッテリーで充電できる回数は減ります。

「MagSafe対応」「Qi2」「Qi2.2」は別物です

用語を整理します。ここを混同すると、25Wを期待して7.5Wの製品を買うことになります。

MagSafeはAppleの独自技術で、磁力で位置を合わせる仕組みです。「MagSafe対応」はマグネットでくっつくという意味で、出力の保証ではありません。

Qi2は業界団体(WPC)が策定した規格で、MagSafeの磁石方式を取り込んだオープン標準です。最大15Wです。

Qi2.2(メーカー表記では「Qi2 25W」)は、その上位版で最大25Wです。

今回の5機種を並べるとこうなります。

製品 表記 iPhoneへの実際の出力
Xiaomi UltraThin Magnetic 5000 「最大15W」 7.5W(メーカー仕様に明記)
Anker MagGo Power Bank (10000mAh) Qi2認証 15W
Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus) Qi2 15W
CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless2.2 Pro Qi2.2 25W
UGREEN MagFlow Qi2 25W Qi2 25W認証 25W

Xiaomiの例が分かりやすい落とし穴です。 商品名やパッケージの「最大15W」はAndroid機での数値で、iPhoneに対しては7.5W。同社の公式仕様表に「iPhoneシリーズ最大7.5W」と書かれています。安くて薄い製品なので価値はありますが、急速充電を期待して買うと違います。

iPhone側の対応条件も確認してください

Appleの技術仕様で確認できた範囲を整理します。

機種 Qi2での最大
iPhone 18 Pro / 18 Pro Max 25W
iPhone 17 / 17 Pro / 17 Pro Max 25W
iPhone 16 Pro / 16 Pro Max 15W
iPhone 15以前 15W

つまりQi2.2の25Wが活きるのは、Apple公式の記載ではiPhone 17世代以降です。

ここで正直に書いておきます。複数のメーカーが商品ページで「iPhone 16シリーズもiOS 26以降なら25W対応」と表記しています。 ただしAppleのiPhone 16 Pro / 16 Pro Maxの技術仕様は、現時点でもQi2は15Wと記載されたままです。この食い違いについてApple公式で確認できる情報は見つけられませんでした。 iPhone 16をお使いで25Wを目的に買うなら、この点は保証されていないものとして判断してください。

なおAppleが「30W以上の電源アダプタが必要」としているのは、コンセントにつなぐMagSafe充電器についての条件です。モバイルバッテリー(内蔵電池から給電)に同じ条件が当てはまるかは、Apple公式では確認できませんでした。

こういう人には、この記事はあまり向いていません

とにかく容量を優先したい方。 20,000mAh級を探しているなら、MagSafe対応の選択肢はほぼありません。ケーブル接続の大容量モデルを見てください。

ノートPCも充電したい方。 今回は最大でも有線35Wです。ノートPCには足りません。

Android機で使う方。 Qi2のマグネット式に対応したAndroid機は限られます。対応の可否を機種ごとに確認してください。

選ぶときに見るべき基準は4つ

1. 25Wが必要かどうか(iPhone 17世代以降か)

iPhone 17世代以降で急ぎたいならQi2.2(25W)、それ以前の機種なら15Wで十分です。15Wと25Wでは価格帯も重量も変わるので、ここを最初に決めてください。

2. 重量と厚み(結局これが使うかどうかを決めます)

今回の範囲は98gから254g、厚み6mmから21mmです。2.6倍の重量差があります。

背面に貼り付けて持ち歩くので、重さはそのままiPhoneの重さに加算されます。 iPhone 17 Proが約200g前後ですから、254gのバッテリーを付けると合計450g超。片手で持つのはつらい重さです。

3. スタンド機能があるか

折りたたみスタンドが付いていると、充電しながら動画を見る・机の上で立てるという使い方ができます。今回はAnker MagGo Power Bank (10000mAh) が搭載しています。ただしスタンド分の厚みと重量が増えます。

4. パススルー充電に対応しているか

バッテリー本体を充電しながら、iPhoneにも給電できる機能です。就寝時にコンセントにつないでおき、朝はそのまま持ち出せます。今回の主要機種は対応していますが、Xiaomiは明記が確認できませんでした。

5機種の比較表

製品 価格目安 容量(実測) ワイヤレス 有線 重量/厚み スタンド 購入先
Xiaomi UltraThin Magnetic 5000 約6,980〜7,980円 5,000mAh(3,682mAh) 7.5W(iPhone) 22.5W 98g/6mm なし Amazon / 楽天
CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless2.2 Pro 10K 約6,480〜8,280円 10,000mAh(7,816mAh) 25W(Qi2.2) 35W 188g/14.6mm なし Amazon / 楽天
Anker MagGo Power Bank (10000mAh) 約9,990円 10,000mAh(実測なし) 15W(Qi2) 27W 250g/20mm あり Amazon / 楽天
UGREEN MagFlow Qi2 25W(PB773) 約11,580円 10,000mAh(実測なし) 25W(Qi2 25W) 30W(ケーブル内蔵) 254g/21mm なし Amazon / 楽天
Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus) 約11,990円 10,000mAh(8,636mAh) 15W(Qi2) 30W 215g/15mm なし Amazon / 楽天

実測容量はマイベストの比較検証の値です。AnkerのMagGo Power Bank (10000mAh) とUGREEN PB773は同ランキングに掲載がなく、実測値は確認できませんでした。価格は調査時点の目安で変動します。

商品ごとの解説

Xiaomi UltraThin Magnetic Power Bank 5000|薄さと軽さは圧倒的、ただしiPhoneでは7.5W

型番MDY-20-EB、約6,980〜7,980円。98g・厚さ6mmで、今回で圧倒的に軽く薄い製品です。

この薄さは実用的な意味があります。 背面に貼ったままポケットに入れられる厚みで、iPhone本体と合わせても300g前後に収まります。有線は22.5Wまで出ます。

ただし前述のとおり、iPhoneへのワイヤレス出力は7.5Wです。 メーカー公式仕様に「iPhoneシリーズ最大7.5W」と明記されており、Qi2認証の記載もありません。実測容量も3,682mAh(公称の73.6%)で、iPhone 17 Proを満充電するには足りません。

向くのは「残量を少し足す」用途です。外出先で20%→60%くらいまで回復させたい、という使い方なら、この薄さと軽さは他にない価値があります。急速充電やフル充電を期待するなら別の製品を見てください。

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CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless2.2 Pro 10K|25Wと軽さの両立では、これが頭ひとつ抜けています

型番CIO-MB35W1C-10K-S2W25、約6,480〜8,280円。Qi2.2(25W)対応で188g・厚さ14.6mm。有線は35Wで、今回で最も高い数値です。5,000mAh×2セル構成、完全パススルー充電対応、1%刻みの残量表示。

25W対応機の中で最も軽く薄く、そして最も安いという位置づけです。UGREENの25W機(254g/21mm/11,580円)と比べると、66g軽く6.4mm薄く、価格も抑えられます。

実測値も出ています。個別レビューでの25Wワイヤレス充電の推移は、20分で52%、30分で60%、60分で80%、90分で95%。30分充電後の表面温度は約40℃前後、実測重量187.9gでした。実測容量は7,816mAh(公称の78.2%)です。

弱点は2つ。スタンド機能がありません。 そして実測容量の比率78.2%は、Ankerの86.4%より低い数字です。

有線35Wは、iPhoneの有線急速充電にも余裕があり、タブレットにも使えます。総合的には今回で最も条件が揃っている製品です。

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Anker MagGo Power Bank (10000mAh)|スタンドが必要なら

型番A1654、約9,990円。Qi2(15W)、有線27W、パススルー対応。折りたたみ式スタンドを搭載します。250g・厚さ20mm。

スタンドがあるのは今回でこれだけです。 机の上でiPhoneを立てて、充電しながら動画を見る・ビデオ通話をするという使い方ができます。StandBy表示を使いたい人にも向きます。

Ankerは注記で「iOS 17.4にアップデートしたiPhone 12以降のモデルのみQi2に対応」と明示しています。それ以前のiOSでは15Wが出ません。

弱点は250gという重量と20mmの厚みで、今回で最も重い部類です。スタンド機構を内蔵した分がそのまま増えています。そして15W止まりなので、iPhone 17世代の25Wは活かせません。

「スタンドが要る、15Wで十分」という条件なら合理的な選択です。

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UGREEN MagFlow Qi2 25W(PB773)|ケーブル内蔵が効く場面なら

約11,580円。Qi2 25W認証、10,000mAh、USB-Cケーブルを本体に内蔵(最大30W)。254g・厚さ21mm。

ケーブル内蔵が実用上の利点です。 ワイヤレスで貼り付けても、有線で速く充電したいときも、ケーブルを別に持つ必要がありません。内蔵ケーブルが持ち手も兼ねます。

実測レビューの数値は、iPhone 17 Pro Max(25W)で20分28%、30分37%、1時間23分で80%、100%までさらに約1時間。iPhone 15 Pro Max(15W)ではフル充電に約3.5時間でした。実測重量254g。

弱点は明確です。254g・21mmは今回で最も重く厚い製品です。同じ25WのCIOより66g重く、価格も3,000円ほど高くなります。パススルー(自動補電機能)には対応します。

ケーブルを別に持ちたくない、という理由がはっきりある場合の選択です。そうでなければCIOのほうが軽く安く済みます。

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Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus)|実測容量では最優秀でした

型番A1113、約11,990円で今回の最高価格。Qi2(15W)、有線30W、パススルー対応。215g・厚さ15mm。

実測容量8,636mAh(公称の86.4%)は今回で最も高い変換効率です。同じ「10000mAh」表記のCIO(7,816mAh)より820mAh多く取り出せています。カタログの数字ではなく実際に入る量で比べると、この差は効きます。

Ankerは「釘を刺しても燃えない」設計を訴求しており、PSEと3C認証を取得しています。安全設計に価格を払う製品という位置づけです。

弱点は15W止まりという点です。11,990円という今回の最高価格で、25Wには対応しません。同じ価格帯でQi2.2の25W機が買えることを考えると、iPhone 17世代で速さを求める人には合いません。

「速さより実効容量と安全性」を優先する場合の選択になります。

なお、Ankerは冷却ファンを内蔵したQi2 25W対応モデル「MagGo Power Bank 2 Pro」(型番A110R、有線45W、折りたたみスタンド一体型)を10月中旬から順次発売するとしています。価格は確認できませんでした。急いでいなければ、こちらを待つ判断もあります。

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用途別の結論

iPhone 17世代以降で、25Wを軽く持ちたい。 CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless2.2 Pro 10K です。Qi2.2の25W対応機で最も軽く(188g)薄く(14.6mm)安く、有線も35W出ます。今回で最も条件が揃っています。

とにかく薄く軽くしたい、残量を少し足すだけでいい。 Xiaomi UltraThin Magnetic 5000 です。98g・6mmは他にありません。ただしiPhoneでは7.5Wで、フル充電はできません。

スタンドとして立てて使いたい。 Anker MagGo Power Bank (10000mAh) です。折りたたみスタンドは今回でこれだけです。

ケーブルを別に持ちたくない。 UGREEN MagFlow Qi2 25W です。USB-Cケーブル内蔵で25W対応。重さ254gを許容できるかが判断基準です。

実際に入る容量を最優先したい。 Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus) です。実測8,636mAh(公称の86.4%)は今回で最高効率でした。15W止まりである点は承知のうえで選んでください。

iPhone 16以前を使っている。 25W機を選ぶ理由は薄くなります。Apple公式ではiPhone 16 ProのQi2は15Wです。15W対応機のほうが軽く安く済みます。

買ったあと、最初にやること

実際に何%まで充電できるか一度測る。 iPhoneを20%まで使ってから、バッテリーが空になるまで充電してみてください。この1回の実測が、以後「これで足りるか」を判断する基準になります。 カタログの回数表記より確実です。

ケースの厚みを確認する。 MagSafeのマグネットは、厚いケースやマグネット非搭載のケースだと保持力が落ちます。ケースを付けた状態で、iPhoneを逆さにしても落ちないか試してください。 落ちるならケースを見直す必要があります。

熱くなったら外す。 ワイヤレス充電は有線より発熱します。iPhoneは温度が上がると保護のために充電を絞るので、熱いまま続けても速くなりません。 実測で30分後に40℃前後という数値が出ています。ケースを外すか、いったん止めてください。

充電しながらポケットに入れるのは避ける。 放熱できない状態で充電すると、発熱がこもります。カバンの中も同様です。貼り付けたまま持ち歩くのは、充電が終わってからにしてください。

パススルー対応なら、寝る前にコンセントにつないでおく。 バッテリー本体とiPhoneが同時に充電され、朝はそのまま持ち出せます。ケーブル1本で済みます。

カード類を挟まない。 バッテリーとiPhoneの間にクレジットカードや社員証を挟むと、磁気やICが壊れる可能性があります。財布と一緒に持つときも、マグネット面に密着させないでください。

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