預け入れスーツケース、結局どれがいい?6点を「3辺の和」と超過料金で比較

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こんな場面で、選び方に迷っていませんか

海外旅行や長期出張で、預け入れ用の大きなスーツケースを買う。商品ページには「95L」「大型」「7泊〜長期旅行」と書いてあります。

ところが航空会社のサイトを見ると、書いてあるのは「3辺の和」と「kg」です。単位が揃っていません。

調べた結果を先に書きます。

JALは203cm、ANAは158cm。 同じ日本の国際線で、サイズ上限が45cm違います。

どちらもキャスターと持ち手を含んだ寸法です。 本体だけ測っても判断できません。

そして商品ページには、その3辺の寸法が書かれていませんでした。 9,468円のものも、47,025円のものもです。

JALは203cm、ANAは158cm

両社の公式ページから、預け入れ手荷物の規定を並べます。

JAL国際線 ANA国際線
3辺(縦・横・高さ)の和 203cm以内 158cm以内
キャスターと持ち手 含む 含む
重量(ファースト・ビジネス) 32kg/個 32kg/個
重量(プレミアムエコノミー・エコノミー) 23kg/個 23kg/個
個数(ファースト) 3個 3個
個数(ビジネス) 3個 1〜2個
個数(プレミアムエコノミー) 2個 1〜2個
個数(エコノミー) 2個 0〜2個

45cmの差があります。 3辺の和が180cmのスーツケースは、JALなら無料許容量の範囲内で、ANAならサイズ超過です。

JALは203cmを超えるものを「問い合わせが必要なお手荷物(大型手荷物)」として、こう書いています。

3辺(縦・横・高さ)の和が203cm(80インチ)を超える大型手荷物
高さが150cm(59インチ)を超えて横倒しに出来ない大型手荷物
重量が32㎏(70ポンド)を超える大型手荷物
737機材の場合は1辺が79cm(31インチ)を超える

203cmは80インチ、158cmは62インチです。 市販のスーツケースで見かける「158cm以内」という表記は、この62インチ基準に由来するもので、JALの基準ではありません。

さらにJALには上限があります。

45㎏を超えるものは手荷物としてはお預かりできません。

3辺の和は、キャスターと持ち手を含みます

両社とも、サイズの規定に同じ注記を付けています。

3辺(縦・横・高さ)の和 A + B + C ≤ 203cm キャスターと持ち手を含む(JAL)

3辺(縦・横・高さ)の合計が158cm以内 キャスターと持ち手を含む(ANA)

本体の寸法ではありません。 スーツケースはキャスターが数cm、持ち手が数cm出ているので、本体だけで測ると合計で5〜10cmほど小さく出ます。158cmぎりぎりを狙うと、実測で超えることになります。

これは機内持ち込みサイズでも同じ構造で、外ポケットの膨らみまで含めて測られます。規定の数字と、商品ページの数字が、そもそも同じものを指していません。

ANAのエコノミーは「0〜2個」です

上の表で気づいてほしいのが、ANAのエコノミーの個数です。

エコノミークラス 0〜2個まで

そして注記にこうあります。

無料手荷物許容量は各種運賃規則に則ります。

お客様の航空券面上に記載された無料手荷物許容量が適用されます。

0個の場合があります。 同じANAのエコノミーでも、買った運賃の種類によって、預け入れが1個も無料にならないことがあるということです。ビジネスクラスとプレミアムエコノミーも「1〜2個」で、3個ではありません。

JALは一般のお客さま向けにプレミアムエコノミー・エコノミーを一律「2個」と書いているので、ここも差があります。

「航空券面上に記載された許容量が適用」 なので、判断材料は航空会社のサイトではなく、自分のeチケットです。予約したあとに確認してください。

なおANAには、スター アライアンス・ゴールドメンバー向けの優待があります。

ご搭乗クラスの無料手荷物許容量を+1個または適用となる無料手荷物許容量+20kgを無料でお預かりいたします。

JALにも、JMB FLY ON ステイタス会員・JGC会員向けに個数と重量が増える規定があります(プレミアムエコノミー・エコノミーで3個・32kg/個)。

超過料金は、積み上がります

ここが一番お金に直結します。JALの超過手荷物料金の注記に、こう書かれています。

1個のお手荷物が2種類以上の超過手荷物料金の基準に該当する場合は、該当する全ての超過手荷物料金を適用します。

つまり1個のスーツケースが「個数超過」かつ「重量超過」かつ「サイズ超過」なら、3つとも課金されます。

JAL公式が載せている収受例(東京→マニラ、エコノミー、片道、日本販売)がこれです。

内容 料金
手荷物2個目が重量超過(23kg超〜32kg以下) 6,000円
手荷物3個目が個数超過 10,000円
同 重量超過(32kg超〜45kg以下) 30,000円
同 サイズ超過(203cm超) 10,000円
合計 56,000円

片道56,000円です。 往復なら112,000円。スーツケース本体が何個も買える金額になります。

方面別の単価は次のとおりです。

ハワイ・北中南米・ヨーロッパなど アジア・グアム・オセアニアなど 日本国内(国際線約款適用時)
個数超過(1個) 20,000円 10,000円 5,000円(税込5,500円)
重量超過 23kg超〜32kg以下 10,000円 6,000円 1,000円(税込1,100円)
重量超過 32kg超〜45kg以下 60,000円 30,000円 15,000円(税込16,500円)
サイズ超過 203cm超 20,000円 10,000円 5,000円(税込5,500円)

32kgを超えた瞬間に、重量超過の料金が6倍になります。 10,000円が60,000円です。23kgと32kgの間に1つ、32kgと45kgの間にもう1つ、段差があります。

商品ページには、航空会社が見る数字が書かれていません

ここが調べていて一番意外だったところです。

Amazonの商品ページを実際に開いて、3辺の寸法が載っているかを確認しました。

製品 価格 ページに載っていた数字 3辺の寸法
MAIMO Lサイズ(LL) 16,182円 重量約4.2kg、容量約90L、「L(6-10泊)」 記載なし
New Trip Lサイズ 95L 9,468円 95L、拡張でマチ幅5cm 記載なし
サムソナイト インターセクト スピナー76/28 47,025円 93L、5.3kg、76cm 記載なし(76cmは高さのみ)

価格が5倍違っても、同じでした。 容量(L)と重量(kg)は書いてあります。でも航空会社が見るのは3辺の和(cm)です。

容量から3辺を計算することはできません。同じ90Lでも、細長い形と四角い形では3辺の和が変わります。書かれていないのはcmだけで、課金されるのはそのcmの超過です。

サムソナイトの「76cm」は高さだけの数字です。「スピナー76/28」の76は高さ76cm、28は28インチを指します。幅と奥行きが分からないので、3辺の和は出せません。

乗り継ぎとコードシェアで、ルールが入れ替わります

もうひとつ、両社が同じ注意書きを出しています。

ご旅程にコードシェア便および他社運航便が含まれる場合、JAL便ご搭乗に際しても、他社の手荷物ルールが適用となる場合がございます。なお、手荷物ルール適用の航空会社は、IATA規則に準じて選定されます。(JAL)

コードシェア便および他航空会社の運航便が旅程に含まれる場合は、他社の手荷物ルールが適用になる場合があります。(ANA)

JALで予約していても、JALの203cmが適用されるとは限りません。 旅程に他社便が混ざると、その会社の基準になることがあります。

JALはさらに、米国・カナダについて別の規定を書いています。

米国・カナダ発着の旅程においては、旅程の最初の区間である販売航空会社の手荷物ルールが全旅程に適用されます。

ANAも、国内線を含む国際旅程について明記しています。

国際旅程に含まれる日本国内線は、国際線の手荷物ルールが適用になります。

路線別の個別制限もあります。 JALはロンドン線・パリ線・ヘルシンキ線・ドバイ線・オーストラリア線について「原則として1個当たりの重量が32㎏を超えるお荷物はお受けできません」、ソウル(金浦)空港出発便について「空港施設の制限により200cm×90cm×90cmを超えるお荷物はお受けできません」としています。

ANAも「一部の路線・機種では、3辺の合計が292cm以内の手荷物でも搭載スペース上お預かりできない場合もございます」と書いています。

料金を払っても預かってもらえない場合があります

超過料金は「払えば乗せてもらえる」制度ではありません。上限があります。

45kgを超えると、JALは手荷物として受け付けません。 32kg超〜45kg以下は60,000円(方面により30,000円・15,000円)で預けられますが、45kgを超えると料金の設定自体がありません。

形によっても断られます。 JALが「問い合わせが必要」としている条件のうち、サイズに関するものは3つあります。

3辺(縦・横・高さ)の和が203cm(80インチ)を超える大型手荷物
高さが150cm(59インチ)を超えて横倒しに出来ない大型手荷物
737機材の場合は1辺が79cm(31インチ)を超える

3辺の和が203cm以内でも、1辺が長すぎると機材によっては積めません。 737は国内線や近距離国際線で使われる機材です。縦に長いタイプのスーツケースを選ぶときは、1辺の長さも見てください。

空港の設備による制限もあります。 JALはソウル(金浦)空港出発便について「空港施設の制限により200cm×90cm×90cmを超えるお荷物はお受けできません」としています。3辺の和ではなく、1辺ごとの上限です。

ANAも同じ趣旨の注意を書いています。

一部の路線・機種では、3辺の合計が292cm以内の手荷物でも搭載スペース上お預かりできない場合もございます。

個数にも上限があります。 JALは「お一人様当たりの最大受託個数は、各搭乗クラスの無料手荷物許容量+7個」として、ファースト・ビジネスは最大10個、プレミアムエコノミー・エコノミーは最大9個としています。

つまり、規定内の荷物を規定の個数だけ持っていっても、機材の都合で積めないことがあるという前提です。JALは無料許容量の注記にこう書いています。

規定内の個数・重量のお手荷物でも、機種によっては搭載スペースが限られておりお預けいただいたお手荷物全てを搭載できない場合があります。

6点の比較

公式の商品ページに記載されていた数字だけを並べます。

製品 価格 容量 重量 3辺の寸法
New Trip Lサイズ 95L 9,468円 95L(拡張で約20%アップ) 記載を確認できず 記載なし
RTmoni フロントオープン Lサイズ 11,193円 85L 記載を確認できず 確認できず
MAIMO Lサイズ(LL) 16,182円 約90L 約4.2kg 記載なし
Yuweijie オールアルミ合金 XL 18,800円 100L 記載を確認できず 確認できず
サムソナイト インターセクト スピナー76/28 47,025円 93L 5.3kg 記載なし(高さ76cmのみ)
MAIMO Lサイズ アルミフレーム 日本製 48,598円 95L 5.4kg 確認できず

「記載なし」は実際にページを開いて確認したもの、「確認できず」はページ上で見つけられなかったものです。

この表から、どれがJALの203cmに収まり、どれがANAの158cmを超えるのかは判断できません。 それが結論です。買う前に確認する方法は次の章に書きます。

New Trip Lサイズ 95L

拡張機能付きで、マチ幅5cm拡張により容量が約20%アップ。YKKファスナー、TSAロック、静音ダブルキャスター、多段階調節キャリーバー。S/M/Lの3サイズ展開。拡張すると3辺の和も増えるので、規定ぎりぎりの場合は拡張しない前提で考えてください。

Amazon / 楽天

RTmoni フロントオープン Lサイズ 85L

前面が開くタイプで、全体を開かずにPCや書類を取り出せます。85Lで預け入れサイズ。シルバー。

Amazon / 楽天

MAIMO Lサイズ(LL)

容量約90L、重量約4.2kg。ワンタッチ開閉、交換可能キャスター、自立設計。日本企業開発、品質保証つき。サイズ表記は「L(6-10泊)」。今回開いて確認した中で、重量と容量の両方が明記されていた数少ない製品です。 それでも3辺の寸法はありませんでした。

Amazon / 楽天

Yuweijie オールアルミ合金ボディ XL

100L、オールアルミ合金ボディ、TSAロック、静音ダブルキャスター。7泊以上向け。アルミボディは本体が重くなりやすいので、23kgの制限を使い切りたい場合は本体重量を確認してください。

Amazon / 楽天

サムソナイト インターセクト スピナー76/28 FR

93L、5.3kg、高さ76cm。フレームタイプ。今回の6点で最も高価ですが、3辺の寸法は商品ページにありませんでした。 価格と情報の開示量は比例していません。

Amazon / 楽天

MAIMO Lサイズ アルミフレーム 日本製

95L、5.4kg、アルミフレーム、TSAロック、日本製。本体が5.4kgなので、23kgの制限なら中身に使えるのは17.6kgです。

Amazon / 楽天

条件から選ぶ

ANAに乗る予定がある。 158cmが上限です。商品ページに3辺が書かれていないので、メーカー公式サイトか、販売ページの画像に載っている寸法表を確認してください。見つからない場合は、買ってから自分で測るしかありません。

JALだけに乗る。 203cmまで入ります。市販の「大型」クラスなら、まず収まります。

両方に乗る可能性がある、あるいは乗り継ぎがある。 厳しいほうの158cmで考えてください。コードシェア便が混ざると、予約した会社のルールが適用されない場合があります。

本体が軽いものがほしい。 23kgの制限は本体込みです。本体4.2kgなら中身は18.8kg、5.4kgなら17.6kg。1.2kgの差は、お土産1〜2個分です。

荷物が増える前提で選ぶ。 32kgを超えると重量超過料金が6倍(10,000円→60,000円)になります。45kgを超えると、そもそも預かってもらえません。

拡張機能つきを選ぶ。 拡張すると3辺の和も増えます。規定ぎりぎりの製品では、拡張した状態で超過する可能性があります。

買う前に、最初にやること

自分のeチケットの無料手荷物許容量を見る。 ANAは「お客様の航空券面上に記載された無料手荷物許容量が適用されます」と明記しています。エコノミーでも0個の場合があります。会社のサイトではなく、自分の券面が答えです。

3辺の和を自分で計算する。 メーカー公式サイトか商品ページの画像から、縦・横・高さを探して足してください。キャスターと持ち手を含んだ寸法かどうかも確認してください。 本体寸法だと5〜10cm少なく出ます。

書かれていなければ、買ってから測る。 届いたらメジャーで、キャスターの下端から持ち手の上端まで、最も出っ張っている部分で測ってください。返品できる期間内にやるのが確実です。

空のスーツケースを体重計に乗せる。 本体重量が分かれば、中身に使える重量が決まります。23kgから本体重量を引いた数字をメモしておいてください。

旅程に他社便やコードシェア便が入っていないか確認する。 入っている場合、手荷物ルールが入れ替わることがあります。IATA規則に準じて適用会社が決まります。

路線別の制限を確認する。 JALはロンドン・パリ・ヘルシンキ・ドバイ・オーストラリア線で1個32kg超を受け付けません。ソウル(金浦)出発便は200cm×90cm×90cmが上限です。

超過料金を事前に払えるか調べる。 空港で払うと高額になります。事前購入の割引制度がある航空会社もあるので、超えそうな場合は予約時に確認してください。

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