USB-Cドッキングステーション、結局どれがいい?6機種をMacの2画面出力で比較

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こんな場面で、選び方に迷っていませんか

ノートPCに外部モニターをつないで在宅勤務したい。できればモニター2台に広げたい。USB-Cハブやドックを調べると「デュアル4K HDMI」「2画面出力対応」と書いてあり、価格は5,000円から4万円まであります。

MacBookをお使いなら、ここで止まってください。

「2画面出力対応」と書かれたドックを買っても、Macでは2台に拡張できないことがほとんどです。 理由はmacOSがMST(Multi-Stream Transport)に対応していないためです。Anker自身が公式ページに「macOSはMulti-Stream Transport (MST) に対応しておりません」「macOS搭載機器は、複数のディスプレイにそれぞれ異なる画面を表示することはできません」と明記しています。

ドック側が対応していても、Macでは全部のモニターが同じ画面のミラーリングになります。 これはドックの不良ではなく、macOSの仕様です。

MacBookの外部モニター台数は、本体の世代で決まります

まずMac本体の制約を確認してください。Appleの技術仕様で確認できた範囲です。

機種 外部ディスプレイ最大台数
MacBook Air M1(2020) 1台
MacBook Air M2(2022) 1台
MacBook Air M3(2024) 2台(ただし本体の蓋を閉じる必要あり)
MacBook Air M4(2025)以降 2台+内蔵ディスプレイ
MacBook Pro M2 Pro / M3 / M3 Pro / M4 / M4 Pro 2台
MacBook Pro M2 Max / M3 Max / M4 Max 4台

M1・M2のMacBook Airは、ドックを何にしても外部1台が上限です。 どれだけ高いドックを買っても増えません。

M3のMacBook Airは注意が必要です。 Appleは2台目について「Close the MacBook Air lid to use a second external display」と記載しており、蓋を開けたまま両方使うことはできません。さらに別のページで「両方接続した状態で蓋を開けると、2台目の外部ディスプレイは暗転または切断される」と説明しています。外付けキーボードとマウス、電源接続も必要です。

蓋を開けたまま外部2台が使えるのは、M4以降のAirとProの各世代です。

なおMacBook Pro M1世代の台数は、Appleの現行ページから削除されており確認できませんでした。 お使いの機種の技術仕様ページで確認してください。

Macで2画面に拡張する方法は2つだけです

Mac本体が2台対応の世代だとして、ドック側で2画面拡張を成立させる方法は次の2つです。

方法1:DisplayLink等の専用ドライバを使う

DisplayLinkやSilicon Motionのチップを搭載したドックは、映像をUSBデータとして送り、専用ドライバで描画します。MSTを使わないため、macOSでも2台以上に拡張できます。

今回のAnker 563(Silicon Motionドライバ)とAnker Prime Triple Display(DisplayLink DL-7400)が該当します。どちらもドライバのインストールが必要で、Anker公式も「DisplayLinkアプリのダウンロードが必要となります」と明記しています。

方法2:Thunderboltドックを使う

Thunderbolt 4以上は「4K×2台」が規格の最低要件です。Intelの仕様で「Dual monitor support at up to 4K minimum resolution」と定められているため、Macでもドライバなしで2画面拡張ができます(Mac本体が2台対応の世代であることが前提)。

ただしThunderboltドックは価格が上がります。今回の範囲外ですが、参考としてUGREEN Revodok Max 213(Thunderbolt 4)は公式希望価格が約56,990円です。

Windowsノートなら、この悩みはありません。 WindowsはMSTに対応しているので、一般的なUSB-Cドックで2画面に拡張できます。

「4K対応」は、2画面時に4K30Hzへ落ちることがあります

もうひとつの落とし穴です。

Anker 343(7-in-1, Dual 4K HDMI)は、HDMI1つだけ使うときは最大4K60Hz、2画面同時では最大4K30Hzに落ちます。 公式ページに「同時に2画面へ最大4K (30Hz) での出力も可能」と書かれています。

4K30Hzは、マウスカーソルの動きやスクロールがはっきりカクつきます。 動画を見るだけなら気になりませんが、1日8時間の作業では疲れる差です。

理由は帯域です。USB-Cの映像出力(DP Alt Mode)は、データ転送と帯域を分け合います。2画面に4K60Hzを流すには帯域が足りず、リフレッシュレートを落とすことになります。

「4K対応」だけを見て買うと、この点に気づきません。「2画面時に何Hzか」を必ず確認してください。

今回の6機種で、2画面ともに4K60Hzを出せるのは、UGREEN Revodok Pro 314とAnker Prime、そしてAnker Nano ドック(PC・モニター側がDSCに対応している場合)です。

こういう人には、この記事はあまり向いていません

モニター1台で足りる方。 2画面の話が中心なので、HDMIが1つある小型ハブ(今回の最安モデル)で十分です。

デスクトップPCをお使いの方。 グラフィックボードから直接つなぐほうが確実で速いです。

Thunderbolt 5や8K出力が必要な方。 今回は5,000円〜4万円のUSB-C/DisplayLink系を扱っています。

選ぶときに見るべき基準は4つ

1. 使っているPCが何台まで出せるか

前述のとおりです。Macなら本体の世代を先に確認してください。M1・M2 Airなら外部1台なので、映像出力が1つの安いハブで足ります。差額をほかに使えます。

2. 2画面時のリフレッシュレート

2画面ともに4K60Hzが出るかを確認してください。 「4K対応」の表記だけでは分かりません。仕様表で「2画面時」の条件を探してください。

3. セルフパワーかバスパワーか

ACアダプタが同梱されている(セルフパワー)ドックは、ノートPCに充電しながら周辺機器を安定して動かせます。

バスパワーのハブは、別途PD充電器が必要です。今回の場合、Anker Nanoハブ・Anker 343・Anker 563はいずれもアダプタ非同梱で、100Wの充電器をつないでノートPCへ最大85Wを供給する構成です(ハブが15W消費します)。

手持ちのPD充電器がなければ、その分の費用も見てください。

4. USB-Aポートの転送速度

見落としやすい点です。Anker Nanoドッキングステーションは、ドック側のUSB-A 2ポートが480Mbps(USB 2.0相当)です。着脱ハブ側の1ポートだけが5Gbpsです。

外付けSSDをつなぐなら、どのポートが何Gbpsかを確認してください。480Mbpsのポートにつなぐと、SSDの速度が10分の1以下になります。

6機種の比較表

製品 価格目安 映像出力 2画面時 Macで2画面拡張 PD給電 LAN 電源 購入先
Anker Nano USB-C ハブ(7-in-1) 約4,990円 HDMI×1 — 不可(1系統) 85W なし バスパワー Amazon / 楽天
Anker 343(7-in-1, Dual 4K HDMI) 約8,990円 HDMI×2 4K30Hz 不可 85W なし バスパワー Amazon / 楽天
Anker 563(10-in-1, for MacBook) 約16,990円 HDMI 2.0+1.4 4K60Hz+4K30Hz 可(ドライバ必須) 85W 1Gbps バスパワー Amazon / 楽天
Anker Nano ドッキングステーション(13-in-1) 約16,990円 HDMI×2+DP 4K60Hz(DSC対応時) 不可 100W 1Gbps 140W同梱 Amazon / 楽天
UGREEN Revodok Pro 314(14-in-1) 約20,880円 HDMI×2+DP 4K60Hz×2 不可 100W 1Gbps 140W同梱 Amazon / 楽天
Anker Prime(14-in-1, Triple Display, DisplayLink) 約39,990円 HDMI 2.1×2+DP1.4 4K×2(計3画面) 可(ドライバ必須) 140W 2.5Gbps GaN内蔵 Amazon / 楽天

価格は調査時点の目安で、変動幅が大きい製品があります。特にAnker Prime Triple Displayは公式39,990円に対して第三者調査時点で34,990円という記載がありました。購入前に確認してください。

商品ごとの解説

Anker Nano USB-C ハブ(7-in-1)|モニター1台なら、これで足ります

型番A83D20A1、約4,990円。HDMI×1で最大4K60Hz。USB-A×2(各5Gbps)、USB-C(データ5Gbps)、PD充電専用USB-C×1、SD+microSD両対応。約131×37×12mm、67g、ケーブル約25cm。

M1・M2のMacBook Airをお使いなら、これが合理的な選択です。 外部1台が上限なので、映像出力が2つあるドックにお金を払う意味がありません。

100Wの充電器をつなげばノートPCへ最大85Wを供給できます。SDカードスロットがあるのも、写真を扱う人には実用的です。

弱点は有線LANがない点と、ACアダプタ非同梱(バスパワー)である点です。手持ちのPD充電器が必要です。

67gという軽さは、カフェや出張に持ち出す用途にも向きます。

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Anker 343(7-in-1, Dual 4K HDMI)|「デュアルHDMI」の落とし穴が両方そろっています

型番A83720A1、約8,990円。HDMI×2、USB-A×2(各5Gbps)、USB-C(データ5Gbps)。約114×55×15mm、67g。0.5mの着脱式ケーブル付属。

この製品を挙げているのは、注意喚起のためです。

落とし穴が2つ重なっています。 ひとつは2画面同時では最大4K30Hzに落ちること。もうひとつはMacでは拡張できずミラーリングになることです。どちらもAnker公式ページに明記されています。

Windowsノートで、2画面が4K30Hzでも構わないという条件なら成立します。実際、フルHDのモニター2台なら60Hzで動きます。「4K60Hzで2画面」を期待して買うと違います。

有線LANとSDカードスロットはありません。

同じ8,990円前後を出すなら、要件を整理してから選んでください。 Windowsで2画面4K60Hzが必要ならもう一段上、Macで2画面が必要ならドライバ搭載機かThunderboltです。

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Anker 563(10-in-1, for MacBook)|Macで2画面にする最も安い方法です

型番A83860A1、約16,990円。HDMI 2.0×1(最大4K60Hz)+HDMI 1.4×1(最大4K30Hz)。USB-A×2(各5Gbps)、USB-C×3、1Gbps有線LAN、SD+microSD(各104MB/s)。約145×75×20mm、193g。

製品名に「for MacBook」と付いているのは、Silicon Motionのドライバを使ってmacOSでもMST相当の動作を実現しているためです。 公式に「macOS搭載機器でもMST機能に対応し、デュアルモニターでそれぞれ異なるコンテンツ」を表示できると記載されています。

Macで2画面に拡張したい場合、今回でこれが最も安い選択です。

ただし条件が2つあります。 ひとつはSilicon Motionドライバのインストールが必要なこと。もうひとつは2台目が4K30Hz止まりであることです。2台目を資料表示やチャット用にするなら実用的ですが、両方で細かい作業をするなら気になります。

ACアダプタは非同梱(バスパワー)です。有線LANとSDカードが付くのは価格差の理由になっています。

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Anker Nano ドッキングステーション(13-in-1)|実測データがあり、着脱ハブが便利です

型番A83C3111、約16,990円。HDMI×2+DisplayPort×1。140WのACアダプタ同梱(セルフパワー)で、ノートPCへ最大100W。1Gbps有線LAN、SD/microSD、USB-C×3(10Gbps対応)。約140×95×40mm、408g。

着脱式のUSB-Cハブを内蔵しているのが特徴で、ドックから外して持ち出せます。据置きと携帯を1台で兼ねられます。

実測データが公表されている数少ない製品です。 実機検証(MacBook Air M5、macOS Tahoe)では、10GbpsポートのUSB SSDで読み752.81MB/s・書き771.70MB/s、高負荷時の表面温度は最大48.9℃、2画面+SSD接続時の平均消費電力18.61Wという値が出ています。

注意点を2つ。 ひとつはMacでは拡張が1台のみという点です。Anker公式も明記しており、実機検証でも「接続した外部ディスプレイは全て同一内容のミラーリング」と確認されています。3画面にしたいならMacBook本体に直結する必要があります。

もうひとつはドック側のUSB-A 2ポートが480Mbps(USB 2.0相当)という点です。外付けSSDは10GbpsのUSB-Cポートにつないでください。

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UGREEN Revodok Pro 314(14-in-1)|Windowsで2画面4K60Hzなら、これが素直です

約20,880円(セール時14,616円という記載もあり)。HDMI×2が各最大4K60Hz、DisplayPort×1が最大8K30Hzまたは4K120Hz。ノートPCへ最大100W(第三者実測85W)、1Gbps有線LAN、SD/TF両対応。140WのACアダプタ同梱。

2画面ともに4K60Hzが出るのが、この価格帯での強みです。Anker 343(2画面時4K30Hz)やAnker 563(2台目4K30Hz)と違い、両方のモニターで同じ品質が保てます。

第三者比較検証では総合2位(4.65/5)、発熱の実測40.6℃、ホストポートへの給電実測85Wという結果でした。検証方法は、WEBカメラ・Blu-rayドライブ・外付けSSDを接続し、2台のモニターへ4K映像を出力しながら30分間・67GBのデータ転送を4回実施するというものです。

弱点はMacでの2画面拡張ができない点です。 DisplayLink非搭載で、実機レビューでも「Macでは1台のみ拡張、追加モニターはミラーリング」と確認されています。Windowsノートユーザー向けの製品と考えてください。

サイズと重量、USB-A/USB-Cの正確なポート内訳は公表値を確認できませんでした。 価格の振れ幅も大きいので、購入前に確認してください。

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Anker Prime(14-in-1, Triple Display, DisplayLink)|MacでもWindowsでも3画面にできます

型番A83B35A1、約39,990円で今回の最高価格。HDMI 2.1×2+DisplayPort 1.4×1で、DisplayLink DL-7400チップを搭載。「最大8Kで1台、最大4Kで2台の計3台への映像出力」に対応します。

MacでもWindowsでも最大3画面。今回でこれだけです。 DisplayLinkが映像をUSBデータとして扱うため、macOSのMST非対応という制約を回避できます。

そのほかの仕様も上位です。PD給電は最大140W(第三者実測134W)、有線LANは2.5Gbps(他は1Gbps)、USB-C×4(10Gbps)、USB-A×3、SD/microSD。GaN電源を内蔵しているのでACアダプタが別体になりません。冷却システム搭載で、195×92×47mm、834g。

第三者比較検証では総合1位(4.72/5)、発熱の実測40.6℃でした。

条件はドライバのインストールです。 Anker公式が「外部ディスプレイへの画面出力を行うにはDisplayLinkアプリのダウンロードが必要となります」と明記しています。業務用PCでアプリのインストールが制限されている環境では使えません。 先に確認してください。

価格は公式39,990円に対して第三者調査時点で34,990円という記載があり、5,000円の差があります。

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用途別の結論

MacBook Air M1・M2を使っている。 Anker Nano USB-C ハブ(7-in-1)です。外部1台が上限なので、約4,990円で足ります。差額はモニターやチェアに回すほうが効きます。

Macで2画面にしたい、予算を抑えたい。 Anker 563(10-in-1, for MacBook)です。約16,990円で、Macで2画面拡張ができる最も安い選択。2台目が4K30Hzである点とドライバが必要な点を承知のうえで選んでください。

MacでもWindowsでも3画面にしたい、制約をなくしたい。 Anker Prime(Triple Display, DisplayLink)です。2.5Gbps LAN、140W給電、GaN電源内蔵。業務PCでドライバをインストールできるかを先に確認してください。

Windowsで2画面4K60Hzが欲しい。 UGREEN Revodok Pro 314 です。両方のHDMIで4K60Hzが出て、140Wアダプタ同梱。第三者検証で総合2位でした。

ドックを持ち出すこともある。 Anker Nano ドッキングステーション(13-in-1)です。着脱式ハブを外して携帯できます。実測データが公表されている点も判断材料になります。

2画面が4K30Hzでも構わない、Windowsで安く。 Anker 343 です。ただし4K30Hzはカーソルがカクつくので、フルHD2台で使うほうが現実的です。

買ったあと、最初にやること

まず自分のPCが何台出せるか確認する。 Macなら「このMacについて」で機種と世代を確認し、Appleの技術仕様ページで台数を見てください。ここを確認せずにドックを疑うと、原因にたどり着けません。

リフレッシュレートを確認して、60Hzに設定する。 macOSは「システム設定→ディスプレイ」、Windowsは「ディスプレイの詳細設定」で確認できます。30Hzになっていたら、ケーブルかポートか設定のどれかが原因です。60Hzに変えられるかを見てください。

HDMIケーブルの規格を確認する。 古いケーブルだと4K60Hzが出ません。HDMI 2.0以上(High Speed / Premium High Speed)のケーブルを使ってください。ドックが対応していてもケーブルで詰まります。

外付けSSDは高速ポートにつなぐ。 480Mbpsのポートと10Gbpsのポートが混在している製品があります。実測で速度を測って、想定より遅ければポートを変えてください。

ドライバが必要な製品は、最初にインストールする。 DisplayLinkやSilicon Motionのドライバは、入れないと2画面になりません。「2画面にならない」の原因の多くはこれです。

発熱を確認する。 実測で48.9℃という数値が出ている製品があります。書類の下や引き出しの中に置くと放熱できません。 風が通る場所に置いてください。

ノートPCへの給電W数を確認する。 ドックの表示や設定画面で、実際に何Wで充電されているかを見てください。作業中にバッテリーが減っていくなら、給電が足りていません。 ACアダプタのW数を上げるか、消費の大きい周辺機器を外してください。

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