デスクライト、結局どれがいい?6機種を作業範囲の実測照度で比較

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こんな場面で、選び方に迷っていませんか

在宅勤務で手元が暗い。夕方になると書類の文字が読みにくい。デスクライトを調べると「1500lx」「3000lx」といった数字が並んでいて、大きいほど明るそうに見える。価格は2,000円から2万円近くまであります。

結論を先に書きます。カタログの照度は「真下」の数字で、実際に手を動かす範囲の明るさとは別物です。

43製品を測定した比較検証のデータを見ると、これがはっきり出ています。真下の照度が最も高かったアイリスオーヤマ LDL-QLDL-W(3,940lx)は、作業範囲の照度では680.3lxで今回の最低値でした。比率で言えば17%です。一方、サンワサプライ 800-LED080 は真下3,360lxから作業範囲2,110lxで、比率63%を保っています。

真下の数字がいちばん大きい製品が、実際に使う範囲ではいちばん暗い。 これがカタログを読むだけでは分からない部分です。

カタログの「真下○○lx」は、作業範囲の明るさではありません

まず数字を並べます。比較検証の実測値です。

製品 価格 真下の照度 作業範囲の照度 比率
サンワサプライ 800-LED080 10,800円 3,360lx 2,110.0lx 63%
サンワサプライ 800-LED093W 7,480円 1,850lx 1,069.7lx 58%
山田照明 Z-LIGHT Z-10G 約11,000円〜 2,920lx 1,513.3lx 52%
オーム電機 ODS-LDC6K-W 6,653円 3,770lx 1,503.3lx 40%
パナソニック SQ-LD560 17,690円 2,840lx 696.3lx 25%
アイリスオーヤマ LDL-QLDL-W 5,118円 3,940lx 680.3lx 17%

比率は17%から63%まで、4倍近い開きがあります。

なぜこうなるのか。照らす範囲の広さは、光源の形と幅で決まります。

真下だけ明るい製品は、光源が小さくまとまっています。一点に集中するので真下の数字は大きく出ますが、少し離れると急に暗くなります。対して作業範囲で強い製品は、光源が横に長い設計です。今回1位の作業範囲照度を出したサンワサプライ 800-LED080 は幅約80cmの横長タイプで、最大1,100ルーメンを横方向に配分しています。

A4の書類を広げると幅は21cm、ノートパソコンを置けば30cm以上を使います。明るさが必要なのは真下の一点ではなく、この範囲全体です。

JISの基準を押さえておくと判断が速くなります

どのくらいの明るさが必要なのか。日本産業規格に目安があります。

JIS Z 9110(照明基準総則)の推奨照度は、机上0.8mの高さで次の値です。

用途 推奨照度
書斎・勉強 750lx
居間・読書 500lx
事務室・設計・製図 750lx

つまり在宅勤務のデスクなら、作業範囲で750lx前後を目安にすればいいということになります。

もうひとつ、デスクライト固有の基準があります。JIS-AA形は「30cmの距離で500lx以上、50cmで250lx以上」、JIS-A形は「30cmで300lx以上、50cmで150lx以上」を満たすものです。パッケージに「JIS-AA相当」と書かれていれば、この水準はクリアしています。

ただし注意してください。JIS-AAは最低ラインで、書斎の推奨750lxとは別の話です。JIS-AAを満たしていても、作業範囲全体が750lxあるとは限りません。

先の表に戻ると、作業範囲の照度が750lxを下回った製品が2つあります。 パナソニック SQ-LD560(696.3lx)とアイリスオーヤマ LDL-QLDL-W(680.3lx)です。測定条件がJISの規定と同一ではないため厳密な比較ではありませんが、傾向としては読めます。17,690円の製品が、この軸では届いていません。

消費電力が「明るさの上限」を決めています

データを並べていて、もうひとつ明確な傾向が出ました。

製品 消費電力 作業範囲の照度
アイリスオーヤマ LDL-QLDL-W 8.0W 680.3lx
パナソニック SQ-LD560 9.4W 696.3lx
山田照明 Z-10G 11.9W 1,513.3lx
サンワサプライ 800-LED093W 12W 1,069.7lx
オーム電機 ODS-LDC6K-W 15W 1,503.3lx
サンワサプライ 800-LED080 24W 2,110.0lx

消費電力10W未満の2機種は、どちらも作業範囲700lx未満。12W以上の4機種は、すべて1,000lxを超えています。

当たり前の話ではあります。LEDの効率には物理的な上限があるので、広い範囲を明るくするには、それだけの電力が必要です。「省エネで明るい」は、ある水準を超えると成立しません。

実用的な結論はこうです。作業範囲の明るさを求めるなら、消費電力12W以上を目安にしてください。 カタログの照度よりも、この数字のほうが裏切りません。

なお電気代は心配しなくて構いません。24Wを1日8時間、31円/kWhで30日使っても月約179円です。8Wなら約60円。その差は月120円程度なので、明るさを削って節約する意味は薄いです。

演色性(Ra)は価格と関係ありませんでした

もうひとつ見ておくと差が出る項目があります。演色性、カタログでは「Ra」と書かれる数値です。

Raは色の見え方の正確さを示します。 Ra100が自然光に近い状態で、数値が低いと色がくすんで見えます。書類の色分け、写真や資料の色確認、手芸や塗り絵をするなら効きます。

製品 価格 Ra
山田照明 Z-10G 約11,000円〜 92.9(メーカー公称Ra94)
アイリスオーヤマ LDL-QLDL-W 5,118円 89.1
オーム電機 ODS-LDC6K-W 6,653円 84.7
サンワサプライ 800-LED093W 7,480円 82.2
サンワサプライ 800-LED080 10,800円 81.6
パナソニック SQ-LD560 17,690円 81.4

最も高いのは約11,000円の山田照明(Ra92.9)で、最も低いのが17,690円のパナソニック(Ra81.4)です。価格順にはなりません。5,118円のアイリスオーヤマがRa89.1で2位です。

Ra90以上は「高演色」と呼ばれる水準で、今回はこれを満たすのが山田照明だけでした(メーカー公称値では89.1のアイリスオーヤマも近い位置にあります)。

こういう人には、この記事はあまり向いていません

部屋全体を明るくしたい方。 デスクライトは局部照明です。部屋の明るさはシーリングライトの役割で、デスクライトで代替できません。

デザインを最優先したい方。 この記事は照度と演色性を軸にしています。インテリアとしての見え方は扱っていません。

モニターの映り込みだけを解決したい方。 デスクライトではなく、モニター上部に載せるモニターライトのほうが目的に合います。光が画面に当たらない設計になっています。

選ぶときに見るべき基準は4つ

1. 作業範囲の明るさ(真下の数字ではなく)

前述のとおりです。カタログに真下の照度しか書かれていない場合、光源の幅を見てください。 横に長いほど、広い範囲が均一に明るくなります。

2. 消費電力12W以上かどうか

明るさの実質的な上限を決める数字です。8〜10W級は「手元をほんのり照らす」用途で、書類作業やPC作業を長時間するには足りない可能性があります。

3. 取付方式(クランプか置き型か)

クランプ式は天板を挟んで固定します。デスクの面積を使わないのが利点で、アームが長い製品なら位置の自由度も高くなります。天板の厚みと、奥に挟む余地があるかを確認してください。

置き型はどこにでも置けますが、台座がデスクを占領します。狭いデスクではこれが効いてきます。

4. 演色性と色温度

PC作業や読書なら昼光色〜昼白色(5000〜6500K)が適しています。黒い文字がはっきり見えるためです。色を扱う作業があるならRa90以上を選ぶ意味があります。

なお調色(色温度を変えられる機能)がない製品もあります。 山田照明 Z-10G は5000K固定です。夜に暖色へ落として使いたい場合は、調色対応を選んでください。

6機種の比較表

製品 価格目安 真下 作業範囲 Ra 消費電力 形状 購入先
アイリスオーヤマ LDL-QLDL-W 約5,118円 3,940lx 680.3lx 89.1 8.0W 置き型・Qi充電 Amazon / 楽天
オーム電機 ODS-LDC6K-W 約6,653円 3,770lx 1,503.3lx 84.7 15W 置き型・調光調色 Amazon / 楽天
サンワサプライ 800-LED093W 約7,480円 1,850lx 1,069.7lx 82.2 12W クランプ・幅45cm Amazon / 楽天
サンワサプライ 800-LED080 約10,800円 3,360lx 2,110.0lx 81.6 24W クランプ・幅80cm Amazon / 楽天
山田照明 Z-LIGHT Z-10G 約11,000〜19,580円 2,920lx 1,513.3lx 92.9 11.9W クランプ・アーム720mm Amazon / 楽天
パナソニック SQ-LD560 約17,690円 2,840lx 696.3lx 81.4 9.4W 置き型・USBポート Amazon / 楽天

照度とRaはマイベストの比較検証(43製品検証)の実測値です。価格は調査時点の目安で、変動します。

商品ごとの解説

アイリスオーヤマ LDL-QLDL-W|スマホ充電と一体化させたいなら

約5,118円。Qiワイヤレス充電とUSB給電ポートを内蔵したスタンド型です。3段階の調色、無段階調光、高演色(Ra89.1)。消費電力8.0W。

真下3,940lxは今回の最高値で、一点を強く照らします。そしてRa89.1は今回の2位で、この価格としては優秀な数値です。

ただし作業範囲の照度680.3lxは今回の最低値です。真下との比率17%は、光が広がらないことを意味します。JISが書斎に示す750lxにも届きません。

向くのは「手元の狭い範囲だけ明るくしたい」用途です。スマホを置くだけで充電でき、ポートも足りるので、机の上の配線を減らしたい人には価値があります。A4を広げて長時間作業する用途には足りません。

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オーム電機 ODS-LDC6K-W|検証1位、価格とのバランスが良い

約6,653円で検証1位。調光調色とタイマー機能付きの置き型です。消費電力15W、Ra84.7。

真下3,770lx、作業範囲1,503.3lx。 作業範囲の数字は、約11,000円の山田照明(1,513.3lx)とほぼ同じです。6,653円でこの明るさが出るのが1位の理由だと考えられます。

タイマー機能は、うっかり消し忘れる人には実用的です。調色に対応しているので、日中は昼光色、夜は暖色に落とす使い方ができます。

弱点はRa84.7で、高演色とは言えない水準です。色を正確に見る作業には向きません。また置き型なので台座がデスクを占領します。消費電力15Wは今回で2番目に大きいですが、電気代は月110円程度です。

特別な要求がなければ、これが無難な選択になります。

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サンワサプライ 800-LED093W|クランプ式を安く済ませたい場合

約7,480円。幅約45cmのクランプ固定式で、タッチセンサー操作、調光調色に対応します。消費電力12W、Ra82.2。

真下1,850lxは今回で最も低い数字ですが、作業範囲1,069.7lxで比率58%を保っています。つまり「一点は控えめだが、広く均一」というタイプです。眩しさを感じにくい方向の設計と言えます。

クランプ式なのでデスクの面積を使いません。狭い机で、置き型の台座が邪魔だという場合に効きます。多関節アームで位置も動かせます。

弱点は明るさの絶対値です。JISの書斎基準750lxは超えていますが、1,069.7lxは今回の下から3番目です。細かい文字を長時間読むなら、もう一段明るい製品のほうが楽です。

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サンワサプライ 800-LED080|作業範囲の明るさでは、これが最強でした

約10,800円。幅約80cmの横長クランプ式で、最大1,100ルーメン、多関節アーム、調光調色。消費電力24W。

作業範囲2,110.0lxは今回の最高値で、2位(山田照明1,513.3lx)に約600lx差をつけています。真下との比率63%も最高です。

理由は明快で、幅80cmという光源の長さです。デスクの横幅をほぼカバーするので、A4を2枚並べても両方が明るくなります。JISの書斎基準750lxに対して2.8倍の余裕があります。

弱点は3つ。消費電力24Wは今回で最大(ただし電気代は月179円程度)。Ra81.6は今回で下から2番目なので、色の正確さは期待できません。そして幅80cmという物理的な大きさです。デスクの奥行きと、クランプを挟む位置を確認してから買ってください。

書類とPCを並べて長時間作業する人には、今回いちばん効く製品です。

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山田照明 Z-LIGHT Z-10G|明るさと演色性のバランスでは頭ひとつ抜けています

Zライトの定番シリーズの新型で、希望小売価格19,580円(税込)、実勢価格は約11,000円から。Ra94(メーカー公称)、検証実測でRa92.9で今回の最高です。

消費電力11.9W、光束1,057lm、作業範囲1,513.3lx。11.9Wで1,513lxという効率は今回で最も良く、24Wで2,110lxのサンワサプライより電力あたりの明るさが上です。メーカーは「JIS-AA相当、明るさ2,210lx」と表記しています。

クランプ式でアームは360mm+360mmの二段。光源寿命40,000時間、本体1.4kg。グレアレスシェードで、上を見たときに光源が直接目に入りにくい設計です。

弱点は2つ。色温度5000Kの固定で、調色ができません。 夜に暖色へ落としたい人には合いません。そして価格の幅が大きい点です。希望小売価格19,580円に対して実勢が11,000円台という開きがあるので、購入前に複数の販売店を比べてください。

Ra90以上が必要で、かつ明るさも確保したいなら、今回はこれが唯一の選択です。

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パナソニック SQ-LD560|価格と実測値が噛み合わなかった例として

約17,690円で今回の最高価格。置き型で、950ルーメン、4段階調光、スマホ充電USBポート、「パソコンくっきり光」を搭載します。消費電力9.4W。

しかし作業範囲の照度696.3lxは、JISが書斎・勉強に示す750lxに届きません。 真下2,840lxに対して比率25%で、今回の下から2番目です。Ra81.4も今回の最低値でした。

この製品を否定するために挙げているのではありません。「パソコンくっきり光」は画面の見やすさに配慮した機能で、モニター作業の眼の負担を軸にした設計です。パナソニックの品質管理と保守体制も、価格に含まれる要素です。

ただし「照度」と「演色性」という測れる軸では、5,000〜7,000円台の製品を下回っています。 明るさを求めて17,690円を出すなら、期待と違う可能性があります。何を買っているのかを理解して選んでください。

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用途別の結論

書類とPCを並べて長時間作業する。 サンワサプライ 800-LED080 です。作業範囲2,110lxは今回の最高値で、幅80cmがデスク全体をカバーします。デスクの奥行きとクランプ位置の確認だけ先にしてください。

色を正確に見たい、Ra90以上が必要。 山田照明 Z-10G です。Ra92.9は今回の最高値で、11.9Wで1,513lxという効率も最良です。調色できない点だけ確認してください。

特に要求はなく、失敗したくない。 オーム電機 ODS-LDC6K-W です。検証1位で約6,653円、作業範囲1,503lxは山田照明とほぼ同じです。

デスクが狭い、台座を置きたくない。 サンワサプライ 800-LED093W です。クランプ式で幅45cm、約7,480円。明るさは控えめですがJIS基準は満たします。

スマホ充電とまとめて配線を減らしたい。 アイリスオーヤマ LDL-QLDL-W です。Qi充電とUSBポート内蔵で約5,118円。ただし広い範囲を明るくする用途には向きません。

買ったあと、最初にやること

まず設置位置を決める。光は利き手の反対側から入れる。 右利きなら左前方、左利きなら右前方です。利き手側から照らすと、手で影ができて書いている場所が暗くなります。 これは位置を変えるだけで解決するので、最初に決めてください。

光源が直接目に入らない高さに調整する。 アームを下げすぎると、視線を上げたときに光源が見えます。これが眩しさ(グレア)の原因です。座った姿勢で、目線の高さより上に光源が来ないようにしてください。

画面に光が映り込んでいないか確認する。 モニターの前に座って、画面の暗い部分にライトが反射していないか見てください。映り込んでいたら、ライトを横にずらすか角度を変えます。

部屋の明かりも併せて点ける。 デスクライトだけを点けて周囲が暗いと、明暗差が大きくなって目が疲れます。シーリングライトと併用して、部屋とデスクの明るさの差を小さくしてください。 JISの推奨も、全般照明と局部照明を組み合わせる前提です。

色温度を時間帯で変える(調色対応なら)。 日中の作業は昼光色〜昼白色、夜は暖色寄りに落とすと、就寝前の刺激を減らせます。調色がない製品なら、夜は部屋の明かりを暖色にして調整してください。

半年に一度、シェードのホコリを拭く。 LEDは切れませんが、カバーが汚れると光量が落ちます。暗くなったと感じたら、まずここを拭いてください。

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